9年ぶりに連敗を喫し、しかも初めて格下のアルゼンチン代表に敗れたとあって、国内外から辛らつな批評を受けたニュージーランド代表だが、11月28日、ニューカッスル(オーストラリア)のマクドナルド・ジョーンズ スタジアムで雪辱を果たした。
南半球の強豪国がぶつかるザ・ラグビーチャンピオンシップ(今年は南アフリカが新型コロナウイルスの影響により不参加となり、オーストラリアとの3か国対抗“トライネーションズ”として実施)の第5節で2週間ぶりにアルゼンチン代表と再戦し、38-0で完封勝ちした。
ニュージーランド代表にとっては今年のラストゲームであり、大会を2勝2敗(勝点11)で終え2位以下に勝点5ポイント差をつけ、得失点差でも優位に立っているため、2年ぶりのタイトル奪還をほぼ確実にした。
今週、サッカー界のレジェンドであり、アルゼンチンの英雄であるディエゴ・マラドーナ氏が亡くなった。
ニュージーランド代表“オールブラックス”は試合前、背番号10とMARADONAの名前が入った黒衣をフィールドの中央に置き、敬意を込めたハカを披露。アルゼンチン代表“ロス・プーマス”は、ラグビーワールドカップ2015イングランド大会で応援に駆けつけるなどラグビーも愛してくれたマラドーナ氏への思いも胸に、勇敢に熱くプレーした。
ニュージーランドは前半12分、敵陣深くでフェイズを重ね、右外で飛ばしパスをもらったHOデイン・コールズがコーナーに突進して先制した。
その後、SOリッチー・モウンガのゴールキックで加点し10-0で折り返すと、52分(後半12分)にはラインアウトからサインプレーを決め、NO8アーディー・サヴェアがパワフルな突進でディフェンダーを弾き飛ばし、トライゲッターとなった。
69分にはアルゼンチンのパスが乱れ、途中出場の黒衣WTBウィル・ジョーダンがボールを拾い上げ約45メートル独走。デビュー2戦目の新星であるジョーダンは71分にもインターセプトから50メートル以上走り切り、連続トライを挙げた。
ニュージーランドは最後まで手を緩めず、試合終了前にはLOパトリック・トゥイプロトゥもゴールラインを割り、リベンジ成功となった。
オールブラックス戦連勝ならず、1勝1分1敗となったアルゼンチン代表は、1週間後にシドニーでおこなわれる最終戦でオーストラリア代表に挑む。