ヨーロッパで開催されている8か国対抗の「オータム・ネーションズカップ 2020」は、現地時間11月21日にグループAの2試合がおこなわれ、イングランド代表が2連勝で首位をキープ、ウェールズ代表は今大会初勝利で優勝に望みをつないだ。
イングランド代表は地元ロンドンのトゥイッケナムスタジアムでアイルランド代表と対戦し、18-7で快勝。
前半16分、SOオーウェン・ファレルのキックパスをWTBジョニー・メイが空中で競り勝ち先制すると、20分にはアイルランドがラインアウトを失敗し、イングランドは自陣深くからカウンター、WTBメイがスピードある走りと巧みなフットスキルも披露して連続トライを挙げた。
イングランドはその後もアイルランドにプレッシャーをかけ続け、なかでも光ったのは運動量豊富なLOマロ・イトジェで、24回のタックルはすべて成功、ブレイクダウンのターンオーバー2回、ラインアウトスチールもあった。
イングランドは終盤、アイルランドに1トライを許したものの、堅守は最後まで続き、2020シックスネーションズ王者の強さを示した。
ウェールズ代表は地元スラネスリのパーク・イ・スカーレッツでジョージア代表と対戦し、18-0で競り勝った。
今年からウェイン・ピヴァック体制となったウェールズは、シックスネーションズから数えて6連敗中だったが、ようやく暗いトンネルを脱出。
一方のジョージアは、昨年9月23日に愛知・豊田スタジアムで14-43と敗れたワールドカップ以来の再戦に燃えたが、リベンジならず、オータム・ネーションズカップは2試合連続の完封負けとなった。
ウェールズはPGで先制し、前半25分にはゴール前のスクラムからバックスにボールを動かし、飛ばしパスをもらった19歳のWTBルイス・リースザミットが左隅にフィニッシュ。10-0で迎えた後半も先にPGで得点し、75分にはボールをつないでSHリース・ウェブがトライを決め、突き放した。
ジョージアは敗れたものの、NO8ベカ・ゴルガゼやPRミヘイル・ナリアシヴィリなどがブレイクダウンで奮闘。そして、2023年ワールドカップへの明るい兆しは強力なスクラムだけでなく、ワイドにボールを動かすアタックも躍動感があり、タテへの果敢なランもいくつもあった。
グループBにはフランス、スコットランド、イタリア、フィジーが入っているが、フィジー代表はチーム内に多数の新型コロナウイルス陽性者が発生したため、開幕節のフランス戦、21日に予定されていたイタリア戦に続き、28日のスコットランド戦も中止が決定した。