国際統括機関ワールドラグビーの提案で開催される「ラグビー8カ国対抗戦 オータム・ネーションズカップ」は、これまで11月に行なわれてきた南・北半球のテストマッチ(国代表試合)が中止されるなか、欧州諸国に価値ある代替試合をもたらそうとしている。
◆オータム・ネーションズカップ2020
○グループA
イングランド
アイルランド
ウェールズ
ジョージア
○グループB
フランス
スコットランド
イタリア
フィジー
全16試合は、11月13日(金)~12月6日(日)間での4回の週末に行なわれ、欧州シックス・ネーションズの6カ国に、ジョージアとフィジーを加えた8か国が参加する。これらの国々をイングランド、アイルランド、ウェールズ、ジョージアのプールと、フランス、スコットランド、イタリア、フィジーのプールに分けて、それぞれのプール内で3試合ずつの総当たり戦を行ない1~4位を決める。そして最終節に、2組のプールの同じ順位同士が対戦し、順位を決める。つまり、両プールの1位同士の対戦が決勝戦となる。
最初のプールで有力な1位候補はイングランドだ。10月31日のシックス・ネーションズ最終節でイタリアに勝ち、勝点で並んだフランスに総得失点差で優り、優勝を決めたばかりである。エディー・ジョーンズ監督は大きなサイズのFWによる強いスクラムを目指す。特色は当たりの強さだが、その代表格のCTBマヌ・トゥイランギを負傷で欠くのは痛い。LOイトジェ、FLトム・カリー、WTBジョニー・メイが柱となる選手である。
シックス・ネーションズ最終戦でフランスに競り負け、優勝を逃したアイルランドは、SOセクストン主将、WTB ストックデールが頼り。現状、2~3年前の圧倒的な前進力を欠くが、ニュージーランド出身のWTBジェームズ・ロウが代表資格を得て出場濃厚だ。
ラグビーワールドカップ(RWC)日本大会のベスト4のウェールズは、ピヴァック新監督体制で5連敗の不調にある。ほぼ同じメンバーなのに失トライ数が増えた。総キャップ数149の世界最多、LOアラン・ウィン・ジョーンズ主将の奮起を期待したい。
スクラム最強国と呼ばれることもあるジョージアだが、チームとしての練習量が足らず、勝利に向けて状況は苦しい。
別プールの1位候補フランスはシックス・ネーションズで復調。FW1列のバイユ、マルシャン、アウアによる強力なスクラムを誇り、SHデュポンとSOンタマックのハーフコンビがトライを生む。FLオリヴォン主将とNO8アルドリットのコンタクトも強烈だ。
上昇中のスコットランドは、サザーランド、ブラウン、ファーガソンのFW1列目が組むスクラムの強化が進んだ。FLリッチーは手強い存在。ディフェンスコーチのスティーヴ・タンディは、豪州ワラターズ時代にジャージーの色から「ブルーウォール(青い壁)」と呼ばれた堅守の再現を模索中。
イタリア代表とフランコ・スミス監督は好相性。激しく前に出る相手ディフェンスには、大きくボールを下げてから攻め返す攻撃が機能し、再三守備を突破している。20歳の新SO パオロ・ガルビジの判断力も見事。
フィジー・チームはコロナ感染者が発生し、CTBのランドランドラが負傷の不運。良い話はWTBネマニ・ナドロの復帰。コッター監督とはモンペリエ時代の知り合いだ。
順当なら決勝戦はイングラド対フランスとみる。そして、試合はアタック力で勝るフランスが優位とみる。イングランドが勝利するには、足首負傷中のFBエリオット・デイリーの復帰が待たれるところである。
【WOWOW番組情報】
ラグビー8カ国対抗戦 オータム・ネーションズカップ
11/13(金)~12/6(日) WOWOWで独占放送&配信!
第1節
グループA
11/13(金)深夜3:45 アイルランドvsウェールズ
11/14(土)夜11:55 イングランドvsジョージア
グループB
11/14(土)夜9:30 イタリアvsスコットランド
11/15(日)深夜0:00 フランスvsフィジー
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