南半球を離れてヨーロッパへ向かうことを検討していると言われていた南アフリカラグビー界だが、同国代表のスプリングボックスは少なくとも今後10年間、引き続き、南半球のライバルたちと競うラグビーチャンピオンシップに参加することが決まった。
今年は新型コロナウイルスの影響でワールドカップ2019優勝チームでもある南アは同大会不参加となり、ニュージーランド、オーストラリア、アルゼンチンによる“トライネーションズ”として実施中だが、ラグビーチャンピオンシップを運営するSANZAARは11月4日、上記4か国のすべての協会が2030年まで大会を継続するために署名したことを確認したと発表した。
南アフリカは、これまで南半球のスーパーラグビーに参加してきたクラブチーム(ブルズ、ライオンズ、シャークス、ストーマーズ)が同リーグを離脱することが濃厚で、アイルランド、スコットランド、ウェールズ、イタリアのクラブと競うプロ14(プロ16へ拡大検討)へ移ることを計画・交渉中。南ア代表のスプリングボックスは、次のワールドカップ後、2024年からヨーロッパの強豪6か国からなるシックスネーションズに参入する可能性を模索していると噂されていた。
南半球の仲間たちとの関係継続を選んだ南アラグビー協会のユリー・ルーCEOは、「国内の焦点を変える必要がありましたが、オールブラックス(ニュージーランド代表)やワラビーズ(オーストラリア代表)との長い歴史はもちろん、プーマス(アルゼンチン代表)とも長年の友情があり、より世界クラスのテストラグビーを楽しみにしています」とコメントした。
南半球のレベルの高さはワールドカップで証明されている。過去9大会のうち8大会は南半球勢が優勝しており、2015年のイングランド大会ではベスト4を独占した。
SANZAARのアンディ・マリノスCEOは、「南半球のラグビー勢力は、困難な時期に変化の必要性を認識し、2030年までの国際ラグビーの未来に取り組んできました。国際試合の長期的な未来へ向けての4か国協会による再コミットメントは、私たちが新しい方向に着手する重要なスタートです」と述べ、さらなる発展を目指す。