ラグビーリパブリック

代表引退表明していたナンドロがフィジー代表復帰 欧州強豪との戦いにランドランドラも出場へ

2020.10.13

フィジー代表に復帰するネマニ・ナンドロ。指揮官いわく「やる気は怪物のようだ」(Photo: Getty Images)


 11月13日に開幕する「オータム・ネーションズカップ 2020」でヨーロッパの強豪国に挑むフィジー代表のスコッドが発表され、昨年1月末にインターナショナルラグビーからの引退を表明していたネマニ・ナンドロが、代表復帰することが明らかになった。

 “フライング・フィジアンズ”の愛称で知られるフィジー代表は、昨年のワールドカップで過去最高のベスト8を上回る躍進が期待されながらプールステージ敗退に終わり、元スコットランド代表ヘッドコーチのヴァーン・コッターを新しい指揮官に招へいしてチーム再建に取り組んでいる。

 ナンドロはワールドカップイヤーだった昨年、当時在籍していたモンペリエ(フランス)のクラブ活動にコミットするため日本での大舞台には参加しなかったが、フィジー代表への想いは強く、また、コッターはナンドロがモンペリエにいたときのヘッドコーチであり、信頼する指揮官からの代表復帰要請を受け入れた。

 現在、イングランドのレスター・タイガースに在籍する32歳のナンドロは、身長195センチ、体重123キロのジャイアントBK。かつてNECグリーンロケッツでもプレーし、ジャパンラグビートップリーグで最多トライゲッター賞を2度受賞、2011年度は1シーズン最多トライ記録(当時)に並ぶ19トライを挙げ日本のラグビーファンを興奮させた。

 フィジー代表としてはウイング、センターとしてこれまで29キャップを重ね、2015年のワールドカップにも出場。パワフルな走りはもちろん、ゴールキッカーとしても魅力的なナンドロは、2年ぶりの代表復帰に燃える。

いまや世界最高峰BKのひとりと言われるセミ・ランドランドラ(Photo: Getty Images)

 そのほか、昨年のワールドカップで大いに観客を魅了したセミ・ランドランドラもコッター新体制の船出でスコッド入りした。
 2017年にラグビーリーグ(13人制)から転向し、ユニオン(15人制)の世界でも最もエキサイティングなプレーヤーのひとりと言われる28歳のランドランドラは、今年、ボルドー・ベグル(フランス)からブリストル・ベアーズ(イングランド)に移籍し、アウトサイドセンターとして活躍。ヨーロピアン・プロフェッショナル・クラブラグビーの年間最優秀選手候補のファイナルファイブに名を連ねている。

 また、世界最高峰ロックのレオネ・ナカラワ(グラスゴー・ウォリアーズ)や、ナカラワなどとともに7人制代表として2016リオオリンピックの金メダルに輝き、15人制でも強力なフィニッシャーであるチョスア・トゥイソヴァ(リヨン)もこの秋のインターナショナルゲームに参加する。

 今回選出されたスコッド32人のうち、フィジーを拠点としている選手は9人で、ほかはヨーロッパなど海外のクラブに所属している。
 10月25日に集合し、11月6日にウォームアップマッチとしてポルトガル代表と対戦する予定。

 現在世界ランキング11位のフィジーは、「オータム・ネーションズカップ」ではグループBでフランス、スコットランド、イタリアと対戦する。日本もこの大会への参加が検討されたが新型コロナウイルスの影響で断念しており、代わりに出場することになったジョージアがグループAでイングランド、アイルランド、ウェールズに挑む。そして、それぞれのグループの同じ順位チーム同士が最終週(12月5日、6日)で戦う。


<フィジー代表>

【FW】
Eroni Mawi, Peni Ravai, Haereiti Hetet, Mesulame Dolokoto, Sam Matavesi, Tevita Ikanivere, Samuela Tawake, Mesake Doge, Jone Koroiduadua, Tevita Ratuva, Leone Nakarawa, Temo Mayanavanua, Chris Minimbi, Mesulame Kunavula, Kitione Kamikamica, Johnny Dyer, Albert Tuisue, Manueli Ratuniyarawa, Lekima Tagitagivalu.

【BK】
Frank Lomani, Peni Matawalu, Simione Kuruvoli, Ben Volavola, Tuidraki Samusamuvodre, Lepani Botia, Serupepeli Vularika, Jale Vatubua, Waisea Nayacalevu, Semi Radradra, Nemani Nadolo, Josua Tuisova, Kini Murimurivalu.

Exit mobile version