昨年1月にドーピング(禁止薬物使用)検査で陽性反応を示していた元南アフリカ代表のチリボーイ・ラレペレに対し、8年間の出場停止処分が下された。7月1日、『IOL』など南アメディアが報じた。
ラレペレは不服の申し立てをする予定だが、訴えが退けられれば、9月に34歳の誕生日を迎えるフッカーは事実上の引退となる。
昨年、黒人選手のシヤ・コリシがキャプテンとしてけん引した南ア代表“スプリングボックス”がラグビーワールドカップを制し、人種差別問題を長年抱えている南アの人々に希望を与える歴史的快挙と話題になったが、実は、黒人選手で初めてスプリングボックスのキャプテンを務めたのはラレペレだ。ラレペレは2006年に世界選抜との親善試合でキャプテンとして出場しており、公式戦のテストマッチではなかったためコリシの偉業の方が注目されるが、ラレペレもまた歴史に名を刻んだ男である。
ラレペレは2006年から2018年にかけて南ア代表として25キャップを獲得、2011年のワールドカップにも出場している。
そんなラレペレだが、ドーピング違反は過去にもあった。
2010年、スプリングボックスの欧州遠征中に受けた検査で、興奮薬として禁止されているメチルヘキサンアミンに陽性反応を示し、この物質はスプリングボックス承認のサプリメントに含まれていたため問題なしとされたが、2015年には筋肉増強剤のアナボリックステロイドに陽性が発覚し2年間の出場停止処分を受けていた。
そして昨年の検査では、禁止されているゼラノールに陽性反応を示し、南アフリカのドラッグフリースポーツ研究所(SAIDS)によって確認されていた。
この10年間で3度のドーピング違反であることから、独立ドーピング裁判所は8年間出場停止という厳しい処分を決定。ラレペレは21日内に上訴することができる。