先日、発行60周年記念を迎えた英『Rugby World』誌の企画で、歴代最高のコーチに選出されたウォーレン・ガットランド。2019年ワールドカップではウェールズ代表をベスト4に導き、現在は今週末にスーパーラグビー アオテアロア(ニュージーランド国内大会)の開幕を控えるチーフスを率いる彼は、2021年に南アフリカ遠征を予定しているブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズの指揮官を務めることが決まっている。
イングランド、ウェールズ、スコットランド、アイルランドから選手を選抜、4年に一度結成され、南半球のニュージーランド、南アフリカ、オーストラリアに乗り込むライオンズのツアー。
12年に一度となる南ア遠征で、過去4回のキャプテンは、ウィリー・ジョン・マクブライド、ビル・ボーモント、マーティン・ジョンソン、ポール・オコンネルといずれもロックの選手であったこともあり、同ポジションで世界最高の一人とも言われるマロ・イトジェ(イングランド)がキャプテン候補の一人と目されている。
他にもイングランド、ウェールズでそれぞれキャプテンを務めるオーウェン・ファレルとアラン・ウィン・ジョーンズも候補と言われる。
ガットランドはチームのリーダーについて、「現実には、まずは全体のスコッドを決め、その中で誰がキャプテンにふさわしいか考えることになる。いい成績を残しているクラブや代表チームからの選手が理想だ。そして、さらにその選手が、ライオンズのスターティングXVに入るかどうかも重要になる」と語る。「イトジェはスコッドの候補としてもキャプテンの候補としても常にチェックしているが、ロックのポジションには他にもいい選手がたくさんいる。イングランドだけでもコートニー・ロウズ、ジョージ・クルーズと実力のある選手がいる。アラン・ウィン・ジョーンズもパフォーマンスを維持できるように見えるし、ジェームズ・ライアン(アイルランド)もここ数年で大きく成長している」と、全体のバランスや、各ポジションに、通常の1国の代表と比べ単純計算でも4倍のタレントがいるライオンズ特有の嬉しい悩みを明かした。
イトジェに関しては、「選手としても人間としても非常に賢く、素晴らしいキャリアを歩んでいる。キャプテンに選ばれた場合にもしっかりとチームをまとめてくれるだろう」とはっきりと期待を口にした。
2021年7月~8月に予定されているライオンズの南ア遠征だが、新型コロナウイルスを含めた今後の状況によっては、同年末まで延期される可能性が浮上している。
ワールドカップ以外で南半球と北半球の一流選手が対戦する貴重な機会に、世界のラグビーファンの期待は高まる。なんとか開催されることを祈るばかりだ。