ラグビーリパブリック

ワールドラグビーが、ウイルス感染リスク軽減の一時的ルール変更を提案。

2020.05.29

スクラムの組み直しなしや、モール、ラックの制限で接触を減らす狙いだ。(写真/松本かおり)



 ワールドラグビーが、新型コロナウイルスの感染リスクを軽減するための一時的ルール変更を発表した(5月28日)。提案された10のロートライアルの施行については、各国の協会、それぞれの大会の判断に任される。

 今回発表したトライアルは、ワールドラグビーが60試合以上の試合を詳細に分析して導き出したものだ。これらを実行することにより、スクラムでの接触を30%以上、ラックでの接触を25%まで、モールでの接触を50%以上減少させることができるとしている。

 下記が、いくつかの一時的変更点だ。
 スクラムでは組み直しをおこなわない(反則の有無にかかわらず)。これまで組み直しは、1試合につき平均3.5回発生しており、今回のトライアルによって感染リスクを30%減少させると見込んでいる。

 スクラムを安定させるため、フッカーは組む前に「ブレーキフット」(片足を前に出して、スクラム全体が前のめりにならないようにする動き)を使わなければならない。
 また、PK時、FK時のスクラム選択をなくす(密接したプレー時間が2分減る見込み)。

 チョークタックル(相手の上半身を抱え上げるようなプレー)→アンプレアブル→防御側ボールのスクラムとはならず、チョークタックル=タックルとみなし、(接触後)チームはボールを動かし、プレーしなければならない。
 ラックでの「ユーズイット」コール後、ボールを動かすまでの時間が5秒から3秒に変更される。モールでは、モール開始時に加わっていなかった選手の、遅れての参加は認められない。また、モールは1回しか前進できなくする。

 6月13日に開幕のNZフランチャイズチームによるスーパーラグビー、『アオテアロア』では、このトライアルを採用しない予定にしている。


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