半年後の東京オリンピックでメダル獲得を目標に掲げる7人制ラグビー(セブンズ)の女子日本代表が、強豪国が集うワールドラグビーセブンズシリーズに招待チームとして3大会ぶりに参加し、成長ぶりを見せた。
同シリーズの今季第5ラウンド、シドニー(オーストラリア)大会が2月1日、2日におこなわれ、日本はプール戦は全敗に終わったものの、最後にスペイン相手に快勝し、12チーム中9位で大会を終えた。
初日は勝てなかったが、総合ランキングで首位を走る女王ニュージーランドを苦しめた日本。
2日目の朝はロシアと対戦し、勝利を目前にしながら12-14で逆転負けした。
日本はバティヴァカロロ ライチェル海遥と中村知春のトライで5点リードのままフルタイムに近づいていたが、サイレンが鳴ったあと、長身でスピードもあるロシアのエースが自陣から突破して独走し、コンバージョンも決まって、日本の勝利は手から落ちた。
しかし、サクラセブンズと呼ばれる日本チームは最後に結果を出した。
プールAで最下位となったが、他組の4位チームよりも成績(得失点差)がよかったため、9位決定戦に臨むこととなり、今季総合ランキング9位のスペインと対戦。
ラストゲームで勝利をつかみたい日本は、前半1分、今大会でキャプテンを任されていた堤ほの花が敵陣10メートルライン付近から軽快なフットワークで相手ディフェンダーを翻弄し、ゴールへ駆け抜け先制した。さらにリスタート直後、またも身長154センチの俊足ランナーである堤が一気の加速でスペイン選手を振り切り、会場を沸かせた。
その後、スペインに5点を返されたが、ハーフタイム前、日本は自陣からつなぎ、ラックからすばやくピックアップした鈴木彩夏がさらにゲインすると、サポートについていた弘津悠がゴールに持ち込み、19-5とリードして折り返した。
後半、先にスペインにスコアを動かされた日本だったが、5分にはバティヴァカロロが中村とのクロス連係で鮮やかに抜け、点差を拡大。6分には大竹風美子がスピードを発揮してチーム5トライ目を挙げ、最後にスペインに5点を許したものの勝利は揺るがず、笑顔でシドニーセブンズを終えた。
優勝したのはニュージーランド。
決勝は、打倒“ブラックファーンズ・セブンズ”に燃えるカナダとの今季3度目のファイナル対決になり、カナダのすばやくスペースを詰めるディフェンスにプレッシャーをかけられたニュージーランドだったが、チームワークに加え、優れた個人技を持つ選手が多く、徐々に突き放して33-7で制した。
女子ニュージーランドは今季5大会ですでに4冠目獲得となった。