サントリーサンゴリアスは1月28日、所属する日本代表選手の松島幸太朗がジャパンラグビートップリーグ2020シーズン終了後、フランスの名門クラブであるクレルモン・オーヴェルニュへ移籍することが決定したと発表した。契約期間は2年(2022年6月まで)。
来季からのクレルモン入りが決まった松島は、サントリーを通じて次のようにコメントした。
「契約に至った経緯としては、2023年のフランス・ワールドカップに向け、更に成長するために、『高いレベルそして強いクラブでやりたい』という気持ちと『自分が求められているところに行きたい』という思いがあり、そういった意味でクレルモンから非常に熱意が伝わってきたことが決め手となりました。僕の求めているものがすべて一致したのがクレルモンでした」
クレルモンはフランス国内最高峰リーグのトップ14で2度優勝したことがあり、ヨーロピアン・チャンピオンズカップでも優勝争いの常連だ。フランス代表のWTBダミアン・プノーやLOセバスチアン・ヴァアマイナなど、スター選手が多く在籍している。
そんなチームに加わる松島は、「自分が持っているすべての能力を、歴史あるクレルモンという素晴らしいクラブで少しでも良い影響を与えられるようにやっていきたいと思います。今回、自分が挑戦をするにあたっては、サントリーにはすごく前向きに考えていただけました。この実現に至ったことに関して、サントリーには感謝しかありません。サントリーで残された時間、チームメンバーやスタッフと今シーズンの優勝に向けて、全力で取り組んでいきます」とコメントした。
松島は南アフリカ(プレトリア)出身で、来月に27歳の誕生日を迎える。身長178センチ、体重88キロで、FB、WTB、CTBと複数ポジションでプレーできるユーティリティBKだ。
桐蔭学園高校(神奈川)、南アのシャークス・アカデミーなどを経て2013年にサントリーに加わり、トップリーグでは3度ベストフィフティーンに選出。2017年度は優勝に大きく貢献してMVPに選ばれた。
国際リーグのスーパーラグビーではオーストラリアのワラターズ、レベルズで挑戦し、日本チームのサンウルブズでもプレー経験がある。
日本代表としては2014年のフィリピン戦でデビューして以来、39キャップを重ね、ワールドカップは2大会出場。2015年大会では南アフリカ代表撃破のキーマンとなり、2019年の大舞台ではオープニングゲームのロシア戦でワールドカップ日本代表史上初のハットトリックを達成、プールステージで計5トライ(2019年大会トライランキング3位)を挙げるなど活躍して初のベスト8入りに貢献し、驚異的なスピードは「フェラーリ」と称賛された。