ラグビーリパブリック

エディーとの契約はあくまで、まずあと2年

2019.12.24
2019代表選手は各欧州リーグで躍動する。写真はプレミアシップ(イングランドリーグ)のファン(Getty Images)

2019代表選手が各欧州リーグで躍動する。写真はプレミアシップ(イングランドリーグ)のファン(Getty Images)

 世間がクリスマス休暇前の最後の一仕事に追われる12月中旬、イングランドラグビーの本拠地、トゥイッケナムで、ビル・スウィーニーCEOの記者会見が行われた。

 一番の話題は、現在2021年までとされている、エディ・ジョーンズ代表監督の2023年までの契約延長の是非。2007年大会以来、3大会ぶりに代表チームをワールドカップ準優勝の座に導いた同監督の次回フランス大会までの契約延長のトピックは、イングランドラグビー界の大きな注目を集める。

 しかしこの日の会見では、スウィーニーCEOは、あくまで現在の契約は2021年までで、2023年までの延長については「現在、双方共に検討・協議中」と述べるに留まった。

 さらには、先日就任が発表されたニュージーランド代表のイアン・フォスター新監督の契約が2年間であること、今年のワールドカップで優勝した南アフリカ代表のラシー・エラスムス監督の就任が2年前であったことを挙げ、現在のジョーンズ監督との契約期間があと2年であることの正当性を強調した。

 ワールドカップ終了から既に1か月以上が経過しているが、大きな期待を背負って挑んだ決勝で涙を飲んだ記憶は、まだ鮮明に残る。試合会場へのバスが遅れて到着した件について説明を求める記者もいたが、スウィーニーCEOの説明によれば、到着時間の遅れは5分程度。これが決戦の準備に影響した可能性を否定した。

 また、ワールドカップ終了後には、スコット・ワイズマンテル アタックコーチが豪州代表に、ニール・ハットレー スクラムコーチがプレミアリーグクラブへと引き抜かれている。記者からは、代表チームのコーチ陣構成にも多くの質問が飛んだ。

 日本代表時代にもジョーンズ監督の右腕を努め、現在プレミアリーグクラブへの移籍が予想されている、スティーブ・ボーズウィック FWコーチについても、「シックスネーションズまでは、代表チームに残る」とし、今後のコーチ陣の総入れ替えを説明。

 イングランド人の記者から、「コーチ陣にイングランドの出身者を入れる必要があるか」という質問に対しては、コーチとしての実力重視で、出身国は関係ない、との見解を述べた。

 この他には、先のワールドカップを戦った選手の7割が、高額な学費を払う必要がない公立校の出身者であったことを述べ、ラグビーが私立校出身の一部のエリート層だけのスポーツ、というステレオタイプは、現在では当てはまらないという話も。他国の出身者、移民二世、三世も含んだ現在のイングランド代表チームは、現在の英国社会を反映する多民族チームであると説明した。

 ワールドカップが終わり、イングランド代表の選手たちは既に国内のプレミアリーグ、欧州チャンピオンズカップなどのクラブゲームで凌ぎを削る。世界のラグビーは次のワールドカップフランス大会を目指して新たな4年サイクルを迎えるが、代表選手たちの次の舞台は、2月1日に開幕するシックスネーションズ。イングランド代表の初戦は、パリで行われるフランス代表戦。欧州ラグビー大舞台で、新しい顔ぶれを加えた代表選手たちの活躍に注目だ。

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