プレミアシップ決勝をサラセンズが制した翌日の6月2日、トゥイッケナムスタジアムでイングランドXVがバーバリアンズを51-43で下した。両軍合わせて13トライが挙げられた乱打戦。展開ラグビーを信条とするバーバリアンズの戦術に、イングランドXVが同様の戦術で真っ向勝負を挑み、大方の予想に反した結果を残した。
ヨーロッパのクラブでプレーする、ニュージーランド、オーストラリアなどの強豪国の代表経験者がズラリと並んだスター集団、バーバリアンズは、ベンチ入りした選手も含めた23人の総テストキャップ数は478。対するイングランドXVは、5キャップのNO8のテイマナ・ハリソンが、唯一のテストマッチ経験者。しかしながら、オーウェン・ファレル、ジョージ・フォードに続く次世代のフル代表SOとして将来を期待される20歳のマーカス・スミスなど、若きタレントがズラリと並んだ。
バーバリアンズは、ニュージーランド代表キャップ21、現在はフランスのポーでプレーするコリン・スレイド(SO)を中心に、どこからでもトライを狙った積極果敢な攻撃を展開。しかし、パット・ラム監督が「ハイリスク、ハイリターンなオフロードやロングパスに必要以上にこだわり、余計なターンオーバーを与え過ぎてしまった」と試合後に振り返ったように、前半は31-21とイングランドXVリードで折り返す。
後半に入ってもアンストラクチャーな展開での乱打戦が続き、バーバリアンズが自陣からの果敢な展開で一気にもっていくトライも。試合終了10分前には3点差まで迫ったが、トライを見たい観客からの軽いブーイングを受けながらも、バーバリアンズ陣でのペナルティで確実にゴールを狙ったイングランドが、51-43で試合をものにした。
マン・オブ・ザ・マッチは、昨年、19歳にして年俸23万ポンド(約3150万円)でハーレクインズと契約を結び話題となったスミスの手に。このスミスをはじめ、この日のイングランドXVからワールドカップ行きの切符をつかむ選手がいるかという質問に対し、監督を務めたジム・ミランダーは、「それは、エディー(・ジョーンズ。イングランド代表ヘッドコーチ)に聞いてくれ」と笑顔で一蹴。しかし、「エディーをはじめとしたフル代表のコーチ陣は、この試合の為の準備合宿も、今日の試合もしっかりと観ていた。今日は素晴らしいパフォーマンスを見せてくれたし、いいアピールの機会だったのは、間違いない」と、選手たちを称えた。
プレミアシップが完結し、トゥイッケナムでのバーバリアンズ戦を終え、イングランドラグビーの2018-19シーズンは終了。選手たちは、イングランド内のプロ選手に対して協会が義務付けている5週間の休暇の後、次のシーズンの準備を開始する。