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首の問題でラシン入り破談のカーター 「逆に幸運」と神戸製鋼2季目へ意欲的

2019.03.14

神戸製鋼1年目は世界最高峰のプレーを披露したダン・カーター(撮影:早浪章弘)

 3月で37歳になったレジェンドは、来季も神戸製鋼コベルコスティーラーズの一員としてプレーすることを楽しみにしている。近いうちに、首を手術することを決めた。万全の状態で来季のトップリーグに臨むためだ。オフシーズン中のフランスラグビー界復帰は、身体検査で問題が発見されて叶わなかったが、現役を続けるつもりだ。

 ダン・カーター。ニュージーランド代表のSO、CTBとして112キャップを重ねてテストマッチ世界最多得点者となり、ワールドカップ連覇を遂げ、ワールドラグビー年間最優秀選手賞には3回輝いたスーパースターである。昨年、神戸製鋼に加入し、チームを15シーズンぶりの日本一に導いてMVPに選ばれた。

 日本シーズンがオフの今年2月、かつて在籍したフレンチクラブのラシン92へ約3か月間の“レンタル”加入が発表された。ラシンは、司令塔だった南アフリカ代表のパット・ランビーが度重なる脳しんとうで引退を決めたばかりで代役を探していて、カーターには、唯一成し遂げていなかった欧州チャンピオンズカップ優勝への思いもあった。

 しかし、フランスの厳しいメディカルチェックで問題が発見され、3月はじめ、最大月給49,000NZドル(約370万円)ともいわれた契約は破談となる。そして今週、頸椎(けいつい)椎間板に問題があったことが報道された。カーターはインスタグラムで次のようにコメントしている。
「ラシンに参加できなくなり非常にがっかりしています。定期的な健康診断で、首に問題があることが発見されました。私は、一時的にパリに戻ることを可能にしてくれた神戸に本当に感謝しています。今、焦点は問題を解決することに変わりました(手術とリハビリ)。ご支援、本当にありがとうございます」

 現在、母国に帰っているカーターは、ニュージーランド・ヘラルド紙に「自分にはラグビーをする時間はもうあまり残されていない」と語っているが、今回、首の問題が見つかったことについては「逆に幸運だった」ととらえているようだ。2年契約を結んだ神戸製鋼での本格的な来シーズンは、ワールドカップ後の2020年1月からになる見通しで、長い休養は貴重な時間を確保できる。
「家族と過ごす時間は十分にあるでしょう。そして、日本でのセカンドシーズンへ向けて体を整えるつもりです。私にはラグビーをする時間はもうあまり残されていないが、まだラグビーを愛してるし、楽しんでいる。この長い休養は、ラグビー後の人生に段階的に入るのを助けたと思います」

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