20歳以下代表の最高峰大会である「ワールドラグビー U20チャンピオンシップ」(2018フランス大会)で奮闘したU20日本代表だが、6月17日にベジエでおこなわれた11位・12位決定戦でU20アイルランド代表に33−39で敗れ、最下位となり、来季は下部大会の「U20トロフィー」に降格することが決まった。
日本は今大会、プールAでU20ウェールズ代表と1点差(17−18)、ノックアウトステージ初戦はU20ジョージア代表に2点差(22−24)と、互角の戦いを繰り広げたが、5戦全敗に終わった。
残留・降格がかかったサバイバルマッチ。
開始早々からアイルランドがゲームを優位に進め、4分、SOのビングゲインなどでゴールに迫り、SHが間隙を突いて先制した。11分にはラインアウトからサインプレーが決まり、連続トライ。
12点を追う日本は15分、ラインアウトからのドライビングモールはわずかにゴールに届かなかったが、パワフルな選手の連続突進でディフェンダーを集めたあと、右へ大きくボールを動かし、WTBハラトア・ヴァイレア(日本体育大)がインゴールに持ち込んだ。22分にはモールで押し切り、12−12の同点とする。
しかしアイルランドは29分、キャプテンのNO8が自陣からビッグゲインして流れを変え、PGで勝ち越し。33分には20フェイズを重ねてインゴールへのグラウンディングが認められ、10点差がついてハーフタイムとなった。
アイルランドは後半の序盤に日本陣内でプレーを続けて反則を引き出し、3連続PGでリードを広げた。
12−31とされた日本はそれでも食らいつき、55分(後半15分)、WTBシオサイア・フィフィタ(天理大)が22メートルライン外から突破してゴールに持ち込み、点差を詰める。相手の反則もあって59分にも敵陣深くに入り、フィフィタの連続トライで26−31、5点差に迫った。
しかし62分、日本はスクラムでペナルティをとられ、アイルランドがPGを決めて8点差に。
日本はその後、相手のしぶとい守りに好機を逃したシーンもあったが、72分、辛抱強くボールをつないで14フェイズを重ね、テンポよく右へボールを回してWTBヴァイレアがゴールに持ち込み、CTB森勇登(明治大)のコンバージョンも決まって33−34、1点差に迫った。
しかし76分、アイルランドがゴール前中央のスクラムから左へ展開してWTBがトライを取り切り、大きな追加点を獲得。
日本はラストアタックで19フェイズを重ねたが、突破口を開けず、最後はブレイクダウンで絡まれペナルティとなり、無念のファイナルホイッスルとなった。
■遠藤哲 ヘッドコーチ コメント
「アンストラクチャーを作るアタックを仕掛け、1対1の局面で勝つということはできていた。序盤にアイルランドに2トライを奪われて、選手たちは焦ると思ったが、そこから踏ん張って立て直した。後半もペナルティゴールで点差が開きかけたところで、FWの武器であるモールを起点にトライが取れた。勝つためにどう動くかを選手全員で体現したのは立派だった。
6点差で敗れたが、厳しい試合でも勝てるチームを作ってきたので非常に悔しい。しかし、世界と戦う資格は充分にあることを証明できたのは彼らの功績である。今回の戦いを何らかの形で、将来の日本のユース世代につなげたい」
■岡山仙治 キャプテン コメント
「大会前には、日本は体が小さく1対1では勝てないと思われていたと思うが、大会を通して体の大きな相手に負けていないことがわかった。しかし、自分たちだけがわかっているだけでは、今回の大会だけで終わってしまう。この経験を次の世代にもつなげていかないといけない。将来、この舞台に立てる選手たちには、1対1の局面でも勝てるという自信をもって勝負して欲しいと思う」
ワールドラグビーU20チャンピオンシップ2018の戦いを終えたU20日本代表(撮影:出村謙知)