ラグビーリパブリック

U20日本代表の安昌豪は運動量こだわる。離脱者続出にも「適応していく」。

2017.08.25

8月15日、明大の一員として帝京大との練習試合に出場したU20日本代表の安昌豪(撮影:福島宏治)

 8月6〜13日に長野と東京を回る国内最終合宿を終え、18日に日本を発つ。8月29日〜9月10日にウルグアイでワールドラグビーU20トロフィーを戦う。20歳以下(U20)日本代表のスケジュールだ。
 選手がひと時の休息を得られるはずの8月15日に、なんと、明大から選ばれた3人は帝京大との練習試合に出場。PRの安昌豪、HOの武井日向、LOの箸本龍雅が、主力組同士の試合に後半途中からプレーした。丹羽政彦監督は経緯を説明する。
「もう(明大では)合宿ができないし、(大学選手権8連覇中の)帝京大のいまの様子を体感させる意味でも1回だけ。時間も制限するから…と。U20ウルグアイ代表との練習試合(22日に予定)まで空いているし」
 さらに安にいたっては、その直後に組まれた控え組同士の試合にも先発した。3月から断続的に続く代表候補合宿に参加していたとあって、明大の一員としては「慣れない部分もありますが、コミュニケーションを取りながらやっていきたいです」。タフな日々を過ごしていると、心の底から自覚しているようだった。
 大阪朝鮮高を経て明大入り。昨季はルーキーイヤーながら、全国的な強豪クラブで出番を獲得した。スクラム最前列に入る左PRながら、身長177センチ、体重108キロの身体でグラウンド狭しと駆け回る。スピーディーな展開を目指す今季のU20日本代表でも、持ち前の運動量で存在感を示す。
 U20トロフィーで優勝すれば、上部大会のワールドラグビーU20チャンピオンシップに昇格できる。目標達成を見据え、直前合宿での手ごたえを「1週間の合宿で、大会に向けたいい準備ができた」と断じる。
「テーマだったのは『スタンダードアップ』。それがアタック、ディフェンス、セットプレーでも見られた。やってきたことに自信を持てたと思います」
 本番直前、正規メンバーに故障者が続出。そんななか問われるのは、既存選手から追加招集組への情報伝達か。候補合宿などで作り上げてきたチームのメソッドを、新規のメンバーに短時間で落とし込みたいところだ。
 ここで安は、レギュラー候補としての自覚を覗かせていた。
「いろんなチームから新しいメンバーが来るなか、ちゃんとコミュニケーションを取りながら適応してやっていきたいです」
 帰国後は、明大での定位置争いに挑む。帝京大戦では、U20日本代表と明大とで「(後方から押し込む)LOの感覚が違う」ことからスクラムに難儀。春先に正左PRだった3年の齊藤剣が現在離脱中なのを踏まえ、改めて意気込むのだった。
「剣さんがいないから出ているというのではなく、自分が出る…ということ(目標)は意識しています」
 列島を背負って頂点に立つこと。紫紺のジャージィの背番号「1」を掴むこと。今季は、このふたつのゴールを見据える。
(文:向 風見也)
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