FL金主将、SO中村などオーバーエイジ枠選手も上のジャパンにつながる貴重な経験を積んだ
(撮影:出村謙知)
ワールドラグビー パシフィックチャレンジに参戦したジュニア・ジャパンは、21日にフィジーのスバで行われた最終戦の対トンガAとの一戦に30-44で敗れた。
4日前のサモアA戦をU20メンバーで戦ったジュニア・ジャパンだったが、この日は6人のオーバーエイジ組全員を先発させるフルメンバー構成。
「ディフェンスの部分はかなり通用した。そこは今日も体現できた」
そんな本人の言葉どおりに、後半3分にキックチェイスから鋭いタックルを決めてボールを奪い、4点差に迫るトライにつなげるビッグプレーを見せたFL金正奎主将をはじめ、オーバーエイジ枠の6人はそれぞれが特徴あるプレーを見せて、日本代表入りをアピールした。
「知念(雄=PR)はムードメイカーだし、ひたすら自分のプレーをぶれずにしっかりやってくれた。橋本(大吾=HO)はワークレートが高く、1個1個のタックルも強い。小瀧(尚弘=LO)も力強さがあって、LO、スクラムの核として頑張ってくれた。金はリーダーシップもあって、ビッグタックルあったし、今日はパフォーマンスとしてはすごく良かった。中村亮土は今回いろんなポジションやらせたが(SO、CTB、FB)、どこでもできる。強さとディシジョンメイクのところを伸ばしていければ、ジャパンはすぐ。石橋(拓也=CTB)もすごく力強くなって、ペネトレートもタックルも良かった」
自ら、4月に開幕するアジアラグビーチャンピオンシップで日本代表HC代行として指揮を執ることが決まっている中竹竜二ジュニア・ジャパンHCは、そんなふうにオーバーエイジ枠6人に関して評価する。
試合自体は、「プランとしては相手陣でFWで取りきるというところにこだわっていた。取りきれなかった時にどうするか、準備できていなかった」(中村)と、立ち上がりのチャンスをものにできなかったことが響いて競り負け。それでも「ブレイクダウンの激しさといい、チェイスの本気さといい、強かった。今回のチームは本物だった」(中竹HC)というトンガAとの対戦で、それぞれ貴重な成果を得たことは間違いないだろう。
「初戦で戦ったトンガとは全然レベルが違った。自分たちに対するリスペクトを感じた。準備が短い中、経験の少なさが出たが、悲観的になる必要はない。
年下の子たちにリーダーシップをとる。なかなかできない経験をさせてもらった。組織がひとつになる大切さを学んだし、チームがひとつになるという部分に関しては100%持っていけた」(FL金主将)
リーダーとして、本気になったアイランダーたちと相まみえた経験が上のジャパンの底上げにつながることは、疑いのない事実だろう。
(文:出村謙知)