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【現地リポート】ジュニアJ、“完全U20モード”で挑み、得た貴重な体感。

2016.03.18
U20メンバーでサモアA戦に臨んだジュニア・ジャパン。後半はスコアで上回るなど健闘した
(撮影:出村謙知)
 ワールドラグビー パシフィックチャレンジに参戦中のジュニア・ジャパンは、17日にフィジーのスバで大会3試合目となるサモアAとの一戦に、22-42で敗れた。
 純然たるU20チームで臨めた昨年とは違い、6人オーバーエイジ枠も含めたメンバー構成で南太平洋での戦いに臨んでいるジュニア・ジャパン。
 3戦目にして初めて、FL金正奎ツアーキャプテンや、CTB/FB中村亮土、CTB石橋拓也といったトップリーグでも活躍するシニアプレーヤーが先発から外れる、“完全U20モード”での戦いとなった。
「日本がU20でベスト8に入るためには、ちゃんとキックを使って、しっかり敵陣に入り、チャンスをものにする、というラグビーをしていく必要がある」(中竹竜二ヘッドコーチ)
 そんな基本戦術を持つジュニア・ジャパンにとっては、厳しい風下スタートとなった立ち上がり。それでも、ジュニア・ジャパンが主導権を握るチャンスもあった。
 敵陣深くでのラインアウト、そしてスクラム。仕留めたかったチャンスに経験不足が露呈。
「セットプレーを安定させたかったが、パニクったりして、ミスとかもあった」(LO藤田達成)
 ジュニア・ジャパンが絶対キープしたかったセットプレーでことごとくボールを失い、結果、前半は完全なるサモアペースに。
 アンストラクチャーになった途端に個々が勝負にいくサモアの突進を止められず、前半だけで3トライを献上(ハーフタイム時のスコアは26-0でサモアがリード)。
 それでも、「前半とは違うチームに、新しいチームとして戦おうと、マインドが切り替えられた」と(FL古川聖人ゲームキャプテン)いう後半は、15分に敵陣深くのラインアウトからモールを押し込んだ後、NO8井上遼が左隅に飛び込んだのを皮切りに奪3トライ。
 最終的には22-42で敗れたものの、実質U20チームながら、後半は上のグレードのサモアAをスコアで上回る健闘を見せた。
「ディフェンスでは早いセット、早い出足で相手にプレッシャーかける。アタックでは、ハードワークして走りきる。ハードワークしてトリプルアクションという自分たちのラグビーは世界に通用する」(同ゲームキャプテン)
 セットプレーなど、立ち上がりの時間帯にプレーの精度を高められなかった課題。その一方で、後半のように自分たちのプレーさえ徹底できれば世界と互角以上にわたりあえるという手応え。
 実質的なU20代表チームの世界でのスタートとなった試合で、若いメンバーたちがかけがえのない体感を得たのは確かだ。
(文:出村謙知)
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