ジュニア・ジャパンが出場する「ワールドラグビー パシフィック・チャレンジ 2016」がフィジーのスバで8日に開幕し、オープニングゲームでトンガAと対戦したジュニア・ジャパンは26-8で白星スタートとなった。2012年度に若手選手育成プロジェクトとして発足したジュニア・ジャパンは、2013年からこの大会(当時名称 パシフィック・ラグビーカップ)に参加しているが、勝ったのは初めて。
過去2年間は、ジュニア世界大会をメインターゲットにしたU20日本代表候補メンバーで編成されていたが、今年は20歳以下の選手に加え、トップリーグでベストフィフティーンに選出されたFL金正奎(NTTコミュニケーションズ)や新人賞のLO小瀧尚弘(東芝)、テストキャップ保持者のSO/CTB中村亮土(サントリー)など、2019年の自国開催ワールドカップに向けて成長が期待される20代前半のシニアプレーヤー6人(4月から東芝選手となる筑波大4年のHO橋本大吾を含む)も参加している。
トンガA戦では先制されたものの、前半19分にWTB安田卓平(同志社大)のトライとCTB中村亮土のキックで逆転。10-8で折り返し、後半早々にはNO8ファウルア・マキシ(天理大)がゴールに持ち込みリードを広げ、終盤には途中出場のルースFW井上遼(明治大)がだめ押しトライを挙げ、勝利を手にした。
なお今大会は、2017年に世界的導入が予定されている試験的ルールで実施し、トライ=6点、コンバージョンゴール=2点、ペナルティゴール=2点でおこなわれた。
今年のパシフィック・チャレンジは4チームが参加しており、もう1試合はフィジー・ウォリアーズ(A代表に相当)がサモアAを34-6で下している。ジュニア・ジャパンは12日の第2節で、そのフィジー・ウォリアーズと対戦する。
■中竹竜二ヘッドコーチ コメント
ジュニア・ジャパンとしてこの大会に出場するようになってから、この試合で初勝利をおさめたことに関してはとても嬉しく思っている。一方で、初戦だったということもあり、まだまだ課題は多く残った。ボールを持ち込んだ時に簡単にターンオーバーされたり、ファーストタックラーが飛び込んで(タックルを)外されたり、国際試合では起こりがちなミスが起こった。逆に言えば、この課題を克服すればさらなる成長ができるという可能性も見えた。
残り3試合あるが、今日の勝利に満足せず、さらなるステップアップを皆でめざしていきたい。今年はU20世代の選手だけではなく、トップリーグチーム所属選手などの年齢制限を超えた選手も加わり、新しいジュニア・ジャパンとして戦うことができている。今はお互いに学び合い、世代を超えて一つのチームになっていっている段階。これからが楽しみ。
■金正奎キャプテン コメント
ジュニア・ジャパンとしては初勝利ということで、その点に関してはプラスに捉えている。ただ残り3試合あり、次のフィジー・ウォリアーズ戦は今日のような内容では絶対に勝てないということは選手全員がわかっている。まずはリカバリーをして、タフな試合に向けての良い準備をしていきたい。特にチャンスの場面で(トライを)とりきれなかったことがトンガA戦の一番の課題なので、修正したい。
オーバーエイジの選手も、今回の試合では自分の色を出して良いパフォーマンスをできたので、U20世代の選手たちに良い刺激を与えられたのではないかと思っている。桜のジャージーを着られるということの重みを選手全員がしっかり理解して、次の試合も必ず勝ちたい。
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