フランスの2013-2014シーズンで、頂点に立ったのはトゥーロンだった。5月31日にパリ郊外のスタッド・ドゥ・フランスで、同国最高峰リーグ「トップ14」のプレーオフ決勝がおこなわれ、昨季ファイナルで苦汁をなめさせられたカストルを18-10で下した。
トゥーロンがフランス王者になるのは22年ぶり4回目。今季はヨーロッパクラブ最高峰大会のハイネケンカップでも優勝しており、1908年の創部以来、初の2冠達成となった。
タイトな試合で勝負を決めたのは、今季限りでの引退を表明していた元イングランド代表の英雄、ジョニー・ウィルキンソンだった。前半8分、ペナルティゴール(PG)でトゥーロンが先制する。11分、カストルのWTBマックス・エヴァンスに見事な個人技でトライを奪われ、PG1本を相手に追加されたものの、トゥーロンの10番を着たウィルキンソンは23分と32分にもプレースキックで得点を重ね、35分には、2003年ラグビーワールドカップ決勝の名シーンを再現するかのように、右足からのドロップゴールを決め、逆転。
その後、トゥーロンは堅守で相手に得点を許さず、さらにPG2本追加でリードを広げ、逃げ切った。
ノーサイドの笛が鳴ると、ウィルキンソンのもとにチームメイトが集まり、歓喜の抱擁。数々のドラマを生み、約17年におよんだプロ選手生活を終えてブーツを脱ぐウィルキンソンは、2015年に母国で開催されるラグビーワールドカップのアンバサダーを務める一方で、トゥーロンのコーチ就任も濃厚といわれている。