昨季までイタリア1部リーグのグランドゥカトに所属していたWTB四宮洋平が、フランス2部リーグのエクサンプロバンスへの正式移籍を決めた。若手選手の海外派遣アカデミー構想についての発表と併せ、1日、都内で会見した。
移籍先の所属リーグは9月に開幕も、これまで就労ビザ取得を待っていた同選手。陸上トレーニングに時間を裂いており、「今は33歳ですけど、40メートル、60メートルのタイムが夏から毎月ベストを更新している。恐ろしいくらいスピードが上がっている」。プロとしての海外クラブ加入は5回目となるが、「ずっとフランスに行きたいと公言してきた。フランスの試合もいっぱい観ていますし、準備もしている」。4日に渡仏、21日の一時帰国までの間に予定される2試合への出場を目指す。
スポンサー企業の支援を受けながら行う、新たなインターナショナルアカデミー構想についても説明した。
世界トップレベルの国にあっては日本人向きのラグビースタイルを持つとされるフランスへ、高卒および大学1、2年生の若手選手を募って派遣。それを日本ラグビー強化に繋げたいとしている。今春に桐蔭学園高を卒業したFB松島幸太郎のシャークスアカデミー(南アフリカ)入り、東日本大震災の復興支援としての中学生ラガーマンのフランス遠征にも助力しており、自身の海外挑戦でも時にはクラブに「直談判」をした経緯がある。その意味では、「(アカデミー設立は)むしろ必然。むしろ立ち上げなきゃまずい」と考える。
選手生活とアカデミー運営の両立については、「まずは僕のパフォーマンスが一番。現役が終わるまでは、これを崩さずにやっていきたい。ただ、トッププレーヤーがラグビーだけをしているかというとそうではない。色んな方に助けてもらいながらですが、プロジェクトを温めていきたい」と語った。
(文・向 風見也)