10月16日、南アフリカのライオンズに所属するLOハイロン・アンドリュース(31歳)が、フランス・レ島のホテルで亡くなっているのが発見された。チームはラ・ロシェル戦に向けて現地に滞在中だった。
今週末は、ライオンズにとってクラブ史上初となるチャンピオンズカップの試合に臨む記念すべき週末となるはずだったが、悲劇とともに歴史に刻まれることとなった。
試合前日の朝、ライオンズが火曜日から調整のために滞在していたレ島のホテル「アタルント」のスパ内にあるシャワールームで、アンドリュースの遺体が発見された。
まだ31歳だったアンドリュースの死について、ラ・ロシェル検察局は地元紙『シュッド・ウエスト』に対し、「シャワー室は内側から施錠されていた」「遺体に暴行の痕跡はなく、第三者の介入を示す状況は現在のところ確認されていない」と明らかにしている。
現在、憲兵隊による捜査が進められており、事故死の可能性が最も有力視されている。今後は遺体の司法解剖が予定されている。
※注釈:レ島はラ・ロシェル本土のすぐ沖合に位置し、有料の橋で結ばれて車やバスで20~30分ほどで行き来できる。ライオンズが宿泊していた「ホテル・アタルント」は大西洋の美しい自然環境の中に位置するスパやタラソテラピー施設が充実した4つ星のウェルネスリゾートで、チャンピオンズカップのラ・ロシェル戦に続きURC(ユナイテッド・ラグビー・チャンピオンシップ)のエディンバラ、グラスゴー戦を含めたヨーロッパ遠征の拠点としてコンディションを整えるために滞在していた。
同日午前10時20分に通報を受けた救急隊員が心肺蘇生を試みたものの、現場に到着した時点で心肺停止状態にあり、救うことはできなかった。事態を受け、ホテルの従業員およびライオンズのチームメンバーを対象とした心理的サポートの窓口が設置されている。
ライオンズ・ラグビー・カンパニーのCEOルドルフ・ストラウリは、公式声明の中で次のようにコメントを発表した。
「ハイロンの急逝に、私たちは心を痛めています。今シーズン加入したばかりの彼は、才能にあふれたラグビー選手であっただけでなく、ライオンズ・ファミリーの非常に大切な一員でした。会長のアルトマン・アラース、取締役会、そしてライオンズのスタッフ一同を代表し、妻のマイグリン、幼い息子たちのヘンドリックスとエマーソン、そしてアンドリュース家のご家族全員に心よりお悔やみ申し上げます。私たちはこの深い悲しみの中でご家族と共に寄り添い、ハイロンのことを心からの愛情と敬意をもって記憶し続けます」
アンドリュースは身長203cm、体重108kgと恵まれた体格を持つLO。スプリングボクスへの選出経験はないものの、2015年にはU20南アフリカ代表でプレーした経歴を持つ。シャークスを経て、2024年にはイングランドのセール・シャークスへ移籍し、今夏にライオンズへ加入して祖国へ復帰した。URC開幕から3節すべてに出場しており、第3節ではライオンズでの初先発を果たしたばかりだった。
ライオンズの選手たちはアンドリュースが亡くなる前日、ラ・ロシェルのトレーニング施設でウエートトレーニングをおこなっていた。なお、この日の12時30分からスタッド・マルセル・デフランドル(ラ・ロシェルのホームスタジアム)で予定されていた練習はキャンセルされている。
奇しくも10年前の同じ日である2016年10月16日、チャンピオンズカップのラシン92戦を控えたアイルランド・マンスターのアンソニー・フォーリーHC(当時42歳)が、パリ郊外のホテルで急逝する事件があった(死因は急性肺水腫)。当時の試合は延期となったが、今回のラ・ロシェル対ライオンズ戦は、ライオンズ側の強い希望により予定通り開催されることになった。
ストラウリCEOは次のように述べている。
「ハイロンを讃え、ライオンズは明日(10月17日)に行われるラ・ロシェルとのチャンピオンズカップ開幕戦を予定通り戦います」
ライオンズの声明に続き、ラ・ロシェルも以下のコメントを発表した。
「チームメイトへの追悼と、ラ・ロシェルおよびサポーターへの敬意から、ライオンズの選手・スタッフはこうした状況下であっても試合をおこなうことを決断されました。ライオンズおよびEPCR(欧州プロラグビー機関)との協議の上、クラブの意向を尊重し、試合は予定通り開催されることとなりました」
今週末に開催されるチャンピオンズカップおよびチャレンジカップの全試合において、1分間の黙祷が捧げられる。
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