妻と2人の子どもはバリ島にいる。ラグビーオーストラリア代表27キャップのショーン・マクマーンは、日本とインドネシアを行き来して暮らす。
「もともとゴールドコーストにいましたが、環境を変えようと思ってそうしました。いま、バリはホーム。休みのたびに帰ります。(現地では)子どもが学校へ通うなか、自分のルーティーンに沿って動いています」
10月3日は埼玉・熊谷ラグビー場にいた。
所属する東京サントリーサンゴリアスのトレーニングマッチへFLで先発した。前年度の3位決定戦で屈した、埼玉パナソニックワイルドナイツとぶつかる。
身長186センチ、体重99キロの32歳は、期待通りのインパクトを示した。
キックオフ早々に自陣の深い位置からビッグゲインを決めたのを皮切りに、好ランを重ねた。フィールド中盤で好スティールを決めて得点機をもたらすなど、40分間のプレータイムを46-38での勝利に繋げた。
この日は新年度初の実戦だった。好感触を語る。
「チームとしては課題があり、簡単にトライを獲られるのはよくなかった。スクラムも(改善の余地がある)。ただ個人的にはいいキャリーもありましたし、全体を通しては1発目のゲームにしてはよいパフォーマンスだったと思います」
今季は沢木敬介監督が約7年ぶりに復帰。2017年度入部のマクマーンは、優勝した加入初年度から2季続けてこの人の指導を受けている。
「戻ってきて嬉しいです。彼のスタイルに馴染んでいっている。トレーニングはハードですが、いい形になってきています。ひとりひとりをプッシュし、試合よりも練習をハードにするという形です」
来日後は度重なる故障に泣かされた。2022年以降は肩に1度、膝に2度と、計3度も身体にメスを入れている。それでも24年以降はフィールドに戻り、持ち前のパワーを発揮する。
「大変な時期はありました。ただ、1日、1日のルーティーンをしっかりやっていくことが大事です」
26年12月から始まるこの国で10度目のシーズンは、再会が待ち受けている。
母国代表としてともにプレーしたジャック・デンプシーが、東芝ブレイブルーパス武蔵に新加入した。
身長191センチ、体重111キロの32歳。オーストラリア代表で14キャップ、いまプレーするスコットランド代表でも35キャップを手にしているFW第3列は、新天地でぶつかりたい相手にマクマーンの名を挙げていた。
入団会見で述べた。
「同学年のマクマーンとは、ラグビーの世界で一緒に育ってきたと言っても過言ではありません。一緒にオールブラックスを破った試合があります。それ以降は対戦したことも一緒にプレーしたこともありません。彼は大きな怪我をしてもここまでラグビーと向き合ってきた。リスペクトしています」
確かにオーストラリア代表は2017年10月21日、当時好調のオールブラックスことニュージーランド代表を23-18で破っている。場所はブリスベン・サンコープスタジアムで、デンプシーは6番、マクマーンは8番をつけていた。
あれから9年ほど経った。熊谷の控室入り口付近で当時を思い返したマクマーンは、「あれは本当にいいゲームでした」。旧友との激突をこう展望した。
「ユース年代でも一緒でした。ずっとスコットランドに行っていた彼との対戦はいい戦いになるだろうし、楽しみです」
東南アジアに居を構えるファイターが旧友と公式戦で当たるのは、来年1月9日。神奈川県・Uvanceとどろきスタジアムでの第4節である。
