ラグビーリパブリック

ルーキーにして「代表候補」。森山海宇オスティンは「外国人選手並みに強く、速く」。

2026.10.07

森山海宇オスティン[浦安DR](筆者撮影)

 ラグビー日本代表入りへあと一歩と迫る。

 森山海宇オスティン。身長181センチ、体重107キロの23歳だ。東洋大を出たばかりで、現在は浦安D-Rocksに所属する。衝突の多いオープンサイドFLを務め、強烈なタックルを持ち味とする。  

 昨年12月からの国内リーグワン1部の2025-26シーズンへは、東洋大のラストイヤーが終わっていた今年1月から途中参加。5月以降にあったレギュラーシーズンの終盤戦、入替戦で、計3試合に出た。

 特に初陣となった第17節では、初年度王者の埼玉パナソニックワイルドナイツの面々にこれでもかとぶつかった。

 攻め込む走者の動きを見定め、強い姿勢で踏み込むのを心がける。向こうの身体の「芯」にヒットし、足をかき、そのまま仰向けにするイメージだ。

 ノーサイド。27-24。渋くとも強烈なインパクトを残した。

「パナソニック戦では先輩に『緊張せずにやれ』と言ってくれて、結果、勝利できた。嬉しい初戦でした。大学とリーグワンではフィジカル、スピードともに違うんですけど、フィジカルの部分は適応できているかな、と思います」

 ブレイクの物語には続きがあった。

 シーズン終了後に発表された日本代表のスコッドリストの下部に、森山がその名を刻んだのだ。「以下の選手はコンディションの都合や怪我の都合で、今回は選考対象外となります」という但し書きつきであった。

 クラブの下沖正博ゼネラルマネージャーから選出の意向を知った時は、右膝を故障していて走れる状態ではかった。リハビリを支えるスタッフにも、安静にするよう厳命されていた。

 ただ、それさえなければ呼びたかったと、代表側へ認められたわけだ。

 正代表の経験がなかった若きFLにとって、それは誉れではないか。

「驚きました。同時に、嬉しかったです」

 ジャパンのエディー・ジョーンズヘッドコーチには、東洋大時代に選ばれた23歳以下(U23)日本代表で指導を受けたことがある。

「(U23日本代表は)セッションの数、緊張感が大学とは違いました。だんだんチームになじんで、理解して、成長していけたと思います。(ジョーンズは)選手ひとりひとりを見ているな…とは感じました。それぞれに伝える言葉が違っていて。自分であれば、アタックで(パス方向へ)開きながらボールをもらいに行ってしまう癖があって。そこへ『(相手防御に重圧をかけられるよう)まっすぐ、スクエアに』と」

 今年8月下旬からのキャンペーンでは、より代表デビューに近づいた。

 競技復帰するタイミングで、代表のストレングス担当スタッフが千葉県内の本拠地に訪問。森山はD-Rocksのトレーナーも交え、三者で面談した。夏の代表キャンプで戦い抜けるかを討議した。

 結局、ナショナルチームの練習強度を踏まえて未招集という結論に至ったものの、首脳陣に期待されていると改めてわかった。

 自身不在のジャパンが7月のネーションズチャンピオンシップでイタリア代表、アイルランド代表、フランス代表とぶつかるところへは「強度が、違う。本当にここでやっていけるのか…」と舌を巻いたものの、いま、意識が上向いている。

「まず、ここのチーム(D-Rocks)で1勝でも多くできるようにやっていきたいです。動機にも先輩にもFLのいい選手がいるなか、自分のよさを出せるようにしたい。ハードワークでき、あとタックルは得意かなと」

 話をしたのは9月下旬。今年12月に始まる実質的なルーキーイヤーを見据え、D-Rocksで就任2年目のグラハム・ラウンツリーヘッドコーチのもとアップデートを図っていた。

「(指揮官には)タックルをした後の動きを早くしろとも。あと、FLは声を出し続けろ、とも。実践できているかはわからないですが、意識はしています」

 今季のリーグワンでは海外組の出場枠に変更があり、国内勢のプレータイムが増えやすくなるかもしれない。その流れについて聞かれ、ナイジェリア人の父を持つ日本出身者の森山は勇ましく述べた。

「外国人選手並みに強く、速く働いていきたいです」

 冬からの国内シーズンでは、東洋大の同期と試合をするのが楽しみだ。

 クボタスピアーズ船橋・東京ベイでLOの栗原大地、埼玉パナソニックワイルドナイツでLOのジュアン・ウーストハイゼン、静岡ブルーレヴズのステファン・ヴァハフォラウ、東芝ブレイブルーパス武蔵のアダム・タマティと、お互い違う色のジャージー姿で再会できたら嬉しい。

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