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【アジア大会を追う①】サクラセブンズは、この2年の集大成を見せる。特別な自国開催でも「いつも通り」に

2026.10.01

時折笑顔も見られた熊谷での練習風景©JRFU

熊谷ラグビー場内に飾られる2018年大会優勝時の集合写真(撮影:BBM)

 32年ぶりとなるアジア競技大会が、愛知は名古屋で開催されている。
 大会も終盤に差しかかる10月1日には、いよいよ男女セブンズ日本代表の登場だ(〜3日)。

 大会の1週間前。サクラセブンズは練習拠点の一つである熊谷ラグビー場にいた。

 同スタジアム内には、初めてアジア大会を制した2018年の集合写真が飾られている。

 現スコッドで唯一その喜びを知るのが平野優芽だ。大学1年生だった当時をこう振り返る。

「正直、初めて出たときはどういう大会かを深く知りませんでした。でも、優勝したときにそれが初の金メダルだと知りました。(メディアにも)たくさん取り上げていただいて反響も大きく、アジアシリーズとは見られ方の違う大会なのだなと」

 毎年開催されるアジアシリーズとは異なり、アジア大会は4年に一度。他国や他競技の選手たちと同じ空間で過ごすのも、オリンピックと同様で特別な経験だ。
 さらに、今大会の宿泊施設は選手村ではなく、異例といえるクルーズ船が活用されている。

 平野は3年前(1年延期)の前回大会を思い出す。地元・中国に決勝で21ー22と敗れていた。
「試合以外でもいろんな経験ができたり、楽しめるのがアジア大会の良さです。ただ、前回大会では試合にフォーカスし切れなかった反省があったと記憶しています」

 そんな苦い記憶もあって、サクラセブンズは今大会のテーマに「いつも通り」を掲げた。
 32年ぶりの自国開催とあり、より選手たちにはプレッシャーがかかるだろう。

 兼松由香HCはそれでも、熊谷での練習を終えて「順調」と言った。
「選手たちの様子を見ていると、気合いが入り過ぎてしまっていたり、自分の殻に閉じこもっている、ということはありません。リラックスしながら楽しんでトレーニングに励めています」

 サクラセブンズはワールドシリーズで世界を転戦するため、日本でその勇姿を見せられる機会は限られている。
 日本でプレーするのは、2023年11月のパリオリンピック予選(ヨドコウ桜スタジアム)以来だ。

 指揮官はその喜びが緊張を上回っているとみる。キャプテンを担う須田倫代もこれに頷く。

「家族や友だちが国際試合を観戦することはどうしても難しい。生で見てもらえる良い機会です。私もすごく嬉しいですし、家族も喜んでくれています」

 兼松HCは、このアジア大会をこの2年の「集大成」とも位置付けている。
「アジア大会が終われば、次の大きな目標であるワールドチャンピオンシップで4位のために、チームとして新しいことに色々取り組んでいく必要があると思っています」

 そのため、熊谷でのキャンプでは新たな戦術を取り入れていない。これまで取り組んできたこと、自分たちの強みの再確認に時間を充てた。

「うまくいかない時間帯や、流れを掴まれそうになるときもあると思います。そういうときに、いままでやってきたこと、サクラセブンズの強みでしっかり立て直せるようにしたいです。どんな相手でも、いつも通り自分たちのラグビーをしようと」(須田主将)

 こうしたプレッシャーゲームを乗り越えられれば、「チームとして一つ成長するきっかけになる」と平野は説く。
 2028年のロサンゼルスオリンピックが近づくにつれ、こうした「何かのかかった」大会が増えるからだ。

 兼松HCはいう。
「ワールドシリーズのここで勝てば(目標に掲げる)ベスト4、ここで勝ではメダル、そして最後はオリンピックで初めて決勝の舞台に立ち、勝って金メダル、といった何かがかかる大会がこれからたくさんあります。その最初がアジア大会です」

 指揮官にとっても、今大会は地元の名古屋で開催される特別な大会だ。「私が現役のときはプレーを直接見せる機会はほとんどなかったので、家族や地元の仲間たちに見てもらえるのはすごく嬉しいです」。たくさんの声援を受ける中で、サクラセブンズの進化した姿を見せたい。

紅白戦のあとには動きのチェック©JRFU
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