今季の静岡ブルーレヴズ(以下、静岡BR)で、注目したいポジションの一つが7番(オープンサイドフランカー)だ。藤井雄一郎監督が「7番にはできるだけ日本人選手を使いたい」と明言しているからだ。
その7番でリーグワン初キャップを目指す二人の選手が、このトヨタヴェルブリッツ戦に出場した。先発したのは、明治大学から加入2年目の福田大晟。後半からそのポジションを引き継いだのが東洋大学から加入4年目の齋藤良明慈縁(らみんじえん)だ。
福田は、173cm、95kgとフランカーとしては小柄だが、運動量やブレイクダウン、ディフェンスに強みをもち、スティールも得意としている。この試合では、前半途中から強い雨が降り始めて厳しいコンディションになったが、高いワークレートを示し、ブレイクダウンで存在感を発揮した。
ただ、初キャップへの道のりが厳しいことは本人も承知している。「まだ課題だらけなので、一つひとつしっかりつぶして、試合ごとに成長していけばチャンスも来ると思っています。今季は本当にチャンス。開幕戦にスタメンで出て、自信のあるプレーができるように成長していきたいです」と語る。
齋藤は、186cm、102kgの体格に加えて高い運動能力と瞬発力を備え、ランプレーやラインアウトでも強みを発揮する。この試合では、後半31分にバックスを思わせる鋭いステップで数人をかわし、トライを決めた。
ただ、「キツい時間が続く中で、本当にみんなが頑張ってスクラムからペナルティを取って、外のスペースで狙いたいところをみんなで共有できていたからこそできたトライだと思っています」と全員の力を強調する。
リーグワン初キャップに向けた感触を聞いても「自分自身が少しずつレベルアップしているという感触はありますし、もちろん試合に出て活躍したいという気持ちはあります。でも、僕はこのチームが本当に大好きです。本当に誰が出てもパワーのある選手がそろっているので、チームが優勝するために自分自身の役割を発揮できるように(開幕に向けて)準備していきたいです」。初キャップへの思いを抱きながらも、口を突いて出るのはチームへの言葉だった。
リーグワン初キャップを目指す彼らのような選手が成長し、ポジション争いを活性化させることが、静岡BRのチーム力を押し上げていく。
「一緒にプレーしている人たちがチームのために全力で体を張っているので、それに負けないくらい自分も死に物狂いで体を張らないと、このチームに僕の居場所はないと思います。チーム一丸でみんながレベルアップしていく中で、僕自身もレベルアップしていきたいと思います」(齋藤)
「日本人らしさというか、泥臭さみたいなところは僕たち日本人フランカーの取り柄だと思うので、目立たないプレーではありますけど、ブレイクダウンのところも見てもらえたらうれしいです」(福田)
藤井監督が日本人選手の起用を見据える7番。そのポジションをめぐる競争も、今季の静岡BRを追い掛ける上での楽しみの一つになりそうだ。
(文/前島芳雄)
▶周辺の証言/藤井雄一郎監督
「(今日の日本人フランカーのプレーについて)福田もラミン(齋藤良明慈縁)も庄司(拓馬)も良かったですし、これからどんどん競い合っていくと思います。(福田について)ディフェンスやスティールもかなりしつこく行けますし、雨が降ると体が小さい選手は若干不利になるんですけど、それでもしつこく絡んでいたので。今日は良かったと思います。(齋藤について)スピードもあるし、ラインアウトも取れるし、今年かなり良くなっていますね。今日は良いステップでトライも取ったし、良かったと思います。(日本人フランカーの競争について)今日は相手に外国籍選手がたくさん出ていた中で、日本人フランカーたちがよく動いて良いアピールをしてくれたと思います」
