1年前の最下位が出発点だった。
中学世代の全国大会「太陽生命カップ2026」で7人制女子の頂点に立ったのは、単独チームとして初出場の千葉県女子代表。大会最終日の9月20日、兵庫県女子代表との優勝決定戦を15-10で制した。
昨年は山梨との合同チームで参加し9チーム中9位。最下位を味わった選手たちは、来年こそはと奮起した。
「去年は3年生が2人しかいなくて、2年生が主体だったんですが、そのメンバーで去年最下位になった時から『もう絶対に次は日本一』って言い続けてきました。『日本一を目指す』じゃなくて『なるべき』というマインドでやってきました」(千葉・内田陽奈主将)
タレントも揃っていた。主軸はクボタスピアーズ船橋・東京ベイと浦安D-Rocksのジュニアチームに所属。男子に混じって身体を当てている有望世代が、最下位という屈辱を味わったことでさらに団結した。
「みんな個々のスキルがすごく高いこともありますが、やっぱり意識を統一することはすごい大事だったなと、今大会を通して思いました」(内田主将)
プレー面で快挙を支えたのは「繋ぐ」意識。決勝点となった勝ち越しトライはスクラムから9本のパスを繋いだ。
その意識を植え付けたチーム代表者は大澤美保さん。ラグビースクールに子どもを通わせる保護者だった30代でラグビーを始めた元スクラムハーフだ。
「チームとして倒れずに繋ぐことは意識しています。最近のラグビーはラックが多いんですが、女子の場合は寝ちゃうと結構スティール(の笛)が早いんです。(女子は体が)柔らかいですし、立っているというイメージでレフリーの方に見られてしまうのかもしれません」
レフリングについての洞察は大澤さんならではだ。それもそのはず、大澤さんは香港セブンズの決勝を担当したこともある元レフリーだからだ。さらに大澤さんがかつてラグビースクールに送り迎えをしていた「息子」は、昨年度、日本協会 A 級公認レフリーになった。昨季の大学選手権決勝も担当した大澤昂平レフリーだ。
千葉県女子代表の次の目標は、12人制の全国ジュニア・ラグビーフットボール大会だ。
「どこまで行けるか分かりませんが、優勝を狙います」(大澤さん)
今後は全チームから挑まれる立場になるだろう。選手と大澤さん達にとって未体験の刺激的な日々は続く。
