9月13日に開幕する関西大学ラグビーリーグのプレスカンファレンスが、8月31日に東大阪市花園ラグビー場でおこなわれた。Aリーグ8大学の監督、主将らが出席し、シーズンに向けての意気込みを語った。
今季もAリーグで優勝争いの中心となるのは天理大と京産大だろう。ただし、単純な構図ではない。
春の関西大学春季トーナメント決勝では、昨年リーグ戦2位の京産大が王者・天理大を4点差で破った。もちろん春と秋ではチームの仕上がりもメンバーも違う。それでも、王者に勝ったという事実は京産大にとって大きいはずだ。
関西3連覇を狙う天理大は、決して万全の状態で開幕を迎えるわけではない。
小松節夫監督はカンファレンスで、4年生が多く残るFWについて「HO太安善明を中心に留学生も入って安定している」と手応えを口にした一方、BKについては昨季まで攻撃の中心を担った上ノ坊駿介(現コベルコ神戸スティーラーズ)が抜けた穴をまだ埋め切れておらず、「発展途上」と話した。
上ノ坊が抜けた今季、その役割を誰が担うのか。BK陣のキーマンとして注目されるのは、この日の会見にも参加した副将のSO中村仁だ。中村を中心としたBK陣がどこまで成熟できるかが、今季の天理大を占う一つのポイントになる。
現在はケガ人が多く、夏合宿の練習試合は全敗。それでもシーズンを戦いながらチームを仕上げてくるのが天理大の伝統的な強みだ。9月の完成度だけではなく、11月、12月にどんなチームになっているのか。今年もそこに王者の真価が問われる。
その天理大が開幕戦で対する摂南大もおもしろい。
摂南大はこの夏、徐々に調子を上げてきた。武器である留学生の突破力と周囲の選手の動きが融合し始め、「個」の強さがチームとしての攻撃につながりつつある。
会見では瀬川智広監督の言葉が印象的だった。
「ラグビーにマジックはない。やるべきことをやるだけ」
その言葉通り、夏に積み重ねてきたものを80分間やり切れるか。高めてきた精度を開幕戦で表現できれば、完成途上の王者にとって決して簡単な80分にはならないだろう。
そして、王座奪還を狙う京産大。1年時から出場を続けてきたLO石橋チューカが、主将として最後のシーズンを迎える。
「今季の目標は関西王者を奪還すること」
大学選手権では5季連続ベスト4。5年連続で1月2日の準決勝に進んだが、その先にある決勝の舞台には届いていない。
悲願を実現するためにも、まず取り戻したいのが関西王者の座だ。春は天理大を4点差で倒した。しかし、一度勝つことと、秋のリーグ戦を勝ち切ることは違う。
春の結果が、そのまま秋の答えになるわけではない。むしろ大学ラグビーのおもしろさは、ひと夏を越えてチームが大きく変わるところにある。それでも春の4点差は、今季の行方を占う一つの伏線にはなるだろう。
王者・天理は、その差をどうひっくり返すのか。京産大は、春の勝利を秋の王座奪還につなげられるのか。そして、2校を脅かす存在は現れるのか。
開幕節から立命大-京産大、摂南大-天理大、関西大-同志社大、近大-関西学大と興味深いカードが並ぶ関西大学リーグだが、今季はピッチの外にも変化がある。
暑熱対策として開幕節はキックオフ時間を遅らせ、初めてナイターで開催されることが発表された。さらにハーフタイムも15分に設定される。
関西ラグビー協会の中島誠一郎理事長は、「関東に負けない、“熱い”関西大学ラグビーを、多くの人に足を運んで見てほしい」と期待を寄せる。
9月13日、花園ラグビー場。ナイターの灯りの下、関西大学ラグビーの新たな秋が始まる。
