2014年にトンガから来日したラグビー日本代表のサミソニ・トゥアが、流ちょうな日本語で宣言する。
「ジャパンファースト。しっかり身体を張る。目の前に誰がいるかは関係なく、自分は自分です。フィジカルを活かして頑張りたいです」
8月8日、東大阪市花園ラグビー場。対オーストラリア代表2連戦の初陣に先発する。12番のインサイドCTBに入り、身長182センチ、体重108キロの肉体で突進、タックルを重ねたい。
話をしたのは4日。滞在先だった北海道網走市で、メンバー入りを目指していた頃だ。その約1週間前からあった合宿では、状態を考慮して一時トレーニングを抜けた。しかし本番が近づくにつれ、コンディションが上向いているようだ。
「いまはもう、ばっちりです。元気で練習をやっています」
もしフィールドに立ったら誰を警戒したいかと問われ、「13番」と応じた。向こうの誇るアウトサイドCTB、ジョセフ=アウクソ・スアリイである。強くしなやかな突破役を心でにらみ、微笑む。
「僕たちのディフェンスをする。フィジカルで、止めます!」
今年6月、代表デビューを飾った‘24年夏以来の代表復帰を果たした。最初に組まれた宮崎合宿の最中、「嬉しいです。また戻ってこられて」と顔をほころばせた。
雌伏期間は故障に泣かされたこともあったが、水面下でエディー・ジョーンズヘッドコーチに励まされていたようだ。
「メールをもらって。『(身体は)どうですか』とか」
戦列復帰後は段階的に余計な重さを削り、きれを取り戻している。買われる点のひとつは、実直に課題をこなす勤勉さか。
旧トップリーグ時代の‘20年、当時プレーしていた現ドコモレッドハリケーンズにTJ・ペレナラが加わった。
これをトゥアは転機とした。ニュージーランド代表としてワールドカップに2度出場したペレナラの習慣に倣い、日々の早朝練習を始めた。みるみる身体が引き締まり、充実のシーズンを送れた。
その折は1季限定移籍だったペレナラは、’24年にリーグワン1部のリコーブラックラムズ東京と長期契約を結んだ。同じ舞台で浦安D-Rocksの一員として戦うトゥアは、恩人のペレナラとよくキャッチアップするという。
「(両方の)ファミリーで、ご飯に行きました」
早起きからの鍛錬は、31歳のいまも続ける。
この約2週間はFW陣がモール、WTBがハイボールキャッチの改善に取り組んできた。15-42で敗れたフランス代表戦で課題に挙がったからだ。トゥアも大外のスペースにボールを運ぶ意識を植え付けてきた。
準備の成果を示したい。
