試合後に報道陣との問答をおこなうミックスゾーンで、日本代表のティエナン・コストリーは肩からデジカメを下げていた。
「一番最近の買い物」と明かす26歳は、齋藤直人とトゥールーズの元同僚が並んだ写真や、対戦相手とジャージーを交換した選手同士の写真などを画面越しに見せる。
「合宿中はラグビー、ラグビー、ラグビーなので、オフの日にコーヒー飲みに行く時はこれを持って行きます。クリエイティブなマインドも使えて、一旦ラグビーから離れて好きなことができる」
昨年から日々の生活を映した「Vlog」をYouTubeにアップしてきたが、「代表はいろんなルールがあってなかなかアップできない」。代替を用意した格好だ。「いい思い出になるような写真を画質高く撮れる」と微笑む。
この日は国立競技場でフランスに完敗。最終スコアは15ー42まで離された。
試合の振り返りを求められると一転、シリアスな表情を浮かべる。
「モールと(ハイボールの)競り合い。その二つで圧倒された。ここをコントロールできないとなかなか勝つことはできない」
ただ、愛称・タマは前向きだった。
「いい課題が出ました。経験になり、学びになる。次の試合までの成長に繋がります。次の合宿でどうやってモールを止める、競り合いをどうするか、みんなで取り組みます。必ず直します」
自身は後半22分にNO8ジャック・コーネルセンと交替した。これで3試合連続の途中出場だ。
所属するコベルコ神戸スティーラーズでは不動のレギュラーなだけに先発で出たい。
それでも、「フィニッシャーはスタメンとは別の役割。それがすごく大切だと最近分かってきた」という。
「みんなが疲れている中で出て、周りにエナジーを与えるプレーをする。とにかくボールを探しにいく。今日は連続でカバータックルをしたり、それができたと思う」と話し、こう続けた。
「そこのマインドセットが3週間で成長しました。試合がなんだかんだ進んでいくんじゃなくて、どうやって貢献するかを常に考える。短い時間だけど、最後の最後は死んじゃうくらいキツかった。出しきれたのはよかったです。いろんな人が褒めてくれたし、いいフィニッシャーになっていけると思います」
ジャパンでは、バックローながらそのスピードを生かしてWTBもカバーする。
前週のアイルランド戦では、前半32分に廣瀬雄也に代わって登場。そのままインサイドCTBに入った。
「12番はめっちゃ楽しかったです。神戸でずっとクレイグ・スチュアート(スキルコーチ)とパス練習、キック練習を1on1でやってきて本当によかった。このユーティリティー選手でなかったら、もしかしたら試合に出ていないかもしれない。FW6人、BK2人のベンチ構成にもできるので、準備してきてよかったです」
1勝2敗で折り返したネーションズチャンピオンシップの南半球シリーズを終えて、「自信は増している」と強調した。
「このチームがどこまで成長できるのかは決まっていないし、トップの相手と試合をしたこの経験がこれからにいい結果に繋がる自信がある。もちろん今日の結果は本当に残念だけど、ポジティブなところもめちゃくちゃ多いし、みんなの努力は本当にすごいです」
「これからのジャパンを楽しみにしてほしい。いい結果を絶対届けられると思っているし、来年のW杯では2019年のような、興奮するような試合をできる自信がある。ファンのために、家族のために。みんなにその幸せを届けたいし、一緒に感じたいです」
