最強の影だ。
日本代表のジャック・コーネルセンは、7月4日からの新設ネーションズチャンピオンシップでここまで2戦続けてNO8で先発している。空中戦のラインアウトや防御ライン上で奮闘するうえ、抜け出す味方のサポートでも際立つ。
4日のイタリア代表戦(東京・秩父宮ラグビー場)の17分。勝ち越しトライを生む連続攻撃の起点は、敵陣22メートル線付近左中間のラックだ。
WTBの植田和磨が防御をかわしながら前に出て、PRの竹内柊平がすかさず突進したところへコーネルセンがついた。竹内の背中となだれ込む相手防御の右胸の間へ、自身の右腕を差し込む。向こうのスティールを未然に防いだ。27―10で勝つまで、この手の下働きを繰り返した。
倒れた走者が孤立すれば、たちまちターンオーバーのピンチに陥る。コーネルセンの素早い寄りは、そのリスクを解消する。
ここは本人も意識するところだ。チームはボールを持たない時も含めた勤勉かつ強度の高いプレーの連続を「ゴールドエフォート」という名で数値化し、統計を取っている。それだけに、身長195センチ、体重110キロの31歳はこう口にする。
「ゴールドエフォートというキーワードを掲げていて、オフ・ザ・ボールでのワークレートを求めている。そのなかでチーム、個人ともそこ(接点への援護)にはフォーカスしています。できる限り(周りの)プレーを予測し、そこへサポートできるよう取り組んでいます」
11日のアイルランド代表戦(ニューカッスル・マクドナルドジョーンズスタジアム)でもハードワークした。終盤まで20-26と競った。もっとも、20-36で敗れたため「ラスト10分までは確実に勝てたと思っていました。最後の最後で勝ちを逃した」と悔やむ。
感慨深さはある。元オーストラリア代表のグレッグ氏を父に持つジャックは、この午後、祖国への凱旋を果たした格好なのだ。
「オーストラリアでアイルランド代表と戦う。少し変な感覚ではありましたが、家族、親戚——両親、近い関係性の家族——が来てくれたのは凄く嬉しかったです」
来年は自国でワールドカップがあるものの、「まだ先のこと。あまり考えすぎず、いまに集中してやっている」。現在、18日の東京・国立競技場での大会3戦目を見据える。
前半戦のラスト。相手は世界ランク4位のフランス代表戦である。同10位のイタリア代表を下したことなどで12位から11位に上昇している日本代表は、3位のアイルランド代表から奪えなかった白星を今度こそ欲しい。
次戦でも8番をつけるコーネルセンは、メンバー発表から2日前の14日にオンライン取材で展望した。
「私たちは間違いなく上り調子。負けたアイルランド代表戦もパフォーマンスにはポジティブなところがたくさんあった。このままでいきたいです。試合への参加率を上げたい。アタックでも、ディフェンスでもできるだけ(局面に)顔を出したいと思っています」
本人申告によれば、過去2戦におけるコーネルセンの「ゴールドエフォート」の数は「イタリア代表戦が3で、アイルランド代表戦は2」。フランス代表戦では「4」を狙うという。
