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【ラグリパWest】ここにも正直不動産。飯泉景弘 [株式会社KAGEHIRO/花園近鉄ライナーズ元GM]

2026.07.15

花園近鉄ライナーズのGMから転身、東京のJR目黒駅前で不動産売買仲介を軸とする「株式会社KAGEHIRO」を始めた飯泉景弘さん(右)。近鉄不動産勤務時代に宅地建物取引士の免許を取得。今の仕事に生かす。妻の奈美江さん(左)は家庭を守る。結婚、出産後もANAのCAをつとめただけあって、美しさもおしゃれも磨かれている

 ここにも『正直不動産』がいる。

 この小学館の漫画はテレビドラマや映画に派生した。主人公の永瀬財地は世のため、人のために住環境と依頼者を結びつける。

 飯泉景弘は今年3月、不動産の「株式会社KAGEHIRO」を代表取締役としてひとりで立ち上げた。事務所は東京の目黒駅前にある。

 飯泉はリーグワンの花園近鉄ライナーズ、略称「花園L」のGMだった。その時代と同じ丸い目が笑むと弾ける。
「今は売買の仲介を専門にしています。賃貸は事務所のある目黒のエリアになります」
 2か月すれば53歳になる。

 この山の手の地で飯泉は育った。ラグビーは高校入学と同時に始めた。私立の目黒である。今、目黒学院に校名は変わったが、最寄り駅は変わらず東急の中目黒になる。

 目黒駅は4社局4路線が乗り入れる。JR山手線、東急、地下鉄はメトロ、都営だ。
「ここからシャトルバスが出ています」
 近鉄系のシェラトン都ホテル東京に向かう。白金台にある。花園Lの定宿でもある。

 飯泉は2年前の6月、花園LのGMを退任した。出向を解かれ、近鉄不動産に戻る。単身赴任の大阪から家族のいる東京に帰った。勤務は首都圏事業本部。社内の雑多な事務作業をこなす庶務の課長についた。

 その戻った会社を1年と少しで退社した。入社から数えれば27年目だった。
「刺激がありませんでした」
 切った、張ったの日々から内勤に移る。重要な部署ではあるが、外の世界を知ってしまっていた。

 飯泉のGM就任は2018年の4月だった。トップリーグとそれに連なるリーグワンでは6季を過ごした。2022-23シーズンから最後の2季はディビジョン1(一部)だった。退任と時を同じくしてチームは降格した。ただ、この退任は勝敗に関係なく、単身赴任が7年に及ぶこともあり、既定路線だった。

 その近鉄と縁がつながったのは25歳の時だった。1999年5月、近鉄不動産に中途で採用され、ラグビー部に入部する。その前につとめていた日本国土開発は会社更生法の適用を受けた。ラグビー部は廃部された。

 現役時代は180センチ、85キロのCTBだった。新チームで7季を過ごし現役引退する。東京に異動。出身大学が帝京だったこともあり、2008年から東日本の選手採用の任につく。そこから現場トップのGMになった。

 飯泉はGMを6季つとめながら近鉄グループホールディングスの総合職ではなかった。高卒から大卒並と認められる転換試験はあったが、グループ会社から本隊に引き上げる制度はない。中途採用でスタートが違うとは言え、飯泉は企業の顔をつとめた人間である。

 そんな一般人が持つ恨みつらみはない。
「いやいや、不動産にいたおかげで宅建の免許を取らせてもらいました」
 今の仕事に是非ものの宅地建物取引士の資格は在職中に得る。飯泉には感謝しかない。それがこの人を貫く美しさでもある。

 その心境にはラグビーによって導かれたと言っていい。高校時代はバイクに興味を持っていた。高2の夏には前輪に他車が突っ込んでくるもらい事故に遭う。奇跡的に骨折などの大けがは負わなかった。運を持っている。

 高3からラグビーに集中する。
「バイクが格好いいと思わなくなりました」
 NO8としてチームを引っ張る。9年ぶり全国大会に出場。71回大会(1991年度)は啓光学園に6-18と8強敗退だった。

 帝京には誘ってもらえた。大学選手権には2度出場するも、初戦敗退。4年時の32回大会(1995年度)は関東学院に18-22だった。卒業と入れ替わりに岩出雅之が監督として赴任、最長9連覇を果たす。近鉄不動産には同期FLだった林洋介が口をきいてくれた。

 林は1996年4月の新卒採用だった。近鉄グループホールディングにあたる当時の近畿日本鉄道の総合職だった。帝京から初めてラグビーへの入部者にもなった。

 大阪では妻となる奈美江と出会った。当時はANAの客室乗務員だった。結婚、そして出産後も仕事を続ける。最初の触れ込みは、同じように時間が不規則な看護師だった。
「CAで来る人は好きではありませんでした」
 交際するようになり、職業を明かしたが、「そう」と飯泉は気にもとめなかった。

 奈美江は飯泉から独立の相談を受けた時にも、「待ってました」とばかりに背中を押した。夫を信じる。2人の間には2女がいる。長女の苺子(まいこ)はオーストラリアで高校を過ごし、今は英語を使って留学関係の会社で働く。2つ下、次女の凛子は高3。化学反応に興味を持ち、受験勉強に励んでいる。

 その家族のためにも稼がなければならない。楕円球のつながりがそれを助けてくれる。
「ラグビーはありがたい。同業者との距離が一気に縮まります。不動産は情報収集など横のつながりが大きい業種ですから」
 なの花薬局は花園Lのスポンサーだが、その関係者と仕事ができたりする。

 将来のヴィジョンがある。
「銀行などからの信用がつけば、開発業もやりたいですね」
 土地を購入できたら、上物を作る。マンションのひと部屋を得たら、改修をほどこし、付加価値をつける。

 その不動産中心の日々の中でも、花園Lのことは忘れたことがない。
「頑張ってほしいですね。メンバーはいい。歯車がかみ合えばよくなると思います」
 先のシーズン、花園Lはディビジョン2の3位となり、入替戦にも出られなかった。

 残念な結果になっても、愛着は残る。
「これからも関東圏で試合のある時は、妻と応援に行きます」
 先のシーズンでも観戦を続けた。商売繁盛と花園Lのディビジョン1復帰が重なれば、こんな幸せなことはない。

 ◆株式会社KAGEHIRO◆
 ■住所 〒141-0021 東京都品川区上大崎2-10-34 シティコート目黒 3号棟-101号室
 ■電話/FAX 03-6825-0208
 ■営業時間 午前10時~午後6時
 ■定休日 毎週水曜と日曜日(定休日でも事前予約にて対応可能)
 ■アクセス JR目黒駅東口から徒歩2分

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