ラグビー世界12カ国最強決定戦
ネーションズチャンピオンシップ
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ラスト5分でフィールドに入った。
コベルコ神戸スティーラーズの上村樹輝は、7月4日、東京・秩父宮ラグビー場で日本代表としてテストマッチ(代表戦)デビューを果たした。
後半35分、持ち場のSHで途中出場。新設ネーションズチャンピオンシップの初戦で、世界ランクで2つ上回るイタリア代表を27-10で下した。
「チームファーストで動けたのは、いまも活きています。こういうところ(代表)に来てもそうです」
本人がこう話したのは6月下旬。宮崎合宿中であった。ジャパンでプレータイムを得たいのは大前提として、試合に出ようが、出られまいが、与えられた役目を全うするのが自分らしさ。その思いを表明した。
引き合いに出すのは、出身の帝京大でのエピソードである。当時は同じポジションの同級生で大阪朝鮮高出身の李錦寿が、1年目からレギュラーを獲得した。一方、京都工学院高から上京していた上村はあまり出番を得られなかった。
監督の相馬朋和からは、こう説明されていた。
「チームのスタイルには錦寿が合っている」
裏を返せば、不足分があると言われたわけではなかった。自慢の大型FWを敵陣へ進めたい帝京大で李のキックとランが映えた傍ら、上村はスピードと運動量に秀でていた。
何より、置かれた立場で力を尽くすことができた。相手を分析したり、実戦練習で主力組にプレッシャーをかけたりし、大学選手権4連覇に喜んだ。
‘25年加入のスティーラーズで主戦級となり、リーグワン制覇に喜んだいまも、学生時代の皮膚感覚は忘れていない。だから、実力者の群れであるナショナルチームにあってこう言うのだ。
「(大学の)最後のほうは、自分がこのチームのためにできることを精一杯やろうという(思いだった)。神戸でもここ(代表)でも、チームが勝てるように行動するだけだなと思っています」
栄えある代表チームでノスタルジーを覚える瞬間は、他にもあった。エディー・ジョーンズヘッドコーチが目を光らせる練習に「練習間の移動も速いです。プレッシャーのなかでやっているなと、すごく感じます」。その説明の流れで笑って漏らしたのが…。
「ノーウォークを、思い出します」
帝京大でも、メニューとメニューの合間、集合の号令がかかった瞬間は小走りが原則。部員同士で「ノーウォーク」と注意し合っていた。
身長168センチ、体重72キロのハードワーカーは、「ひとつひとつのスキルの精度も求められますし、緊張感を持ってできている」と気を引き締める。
「悔しさがばねとなり、反骨心もあり…。しんどい時期もありましたけど、その経験があったからこそいまがあると感じています」
11日、オーストラリアのニューカッスルにあるマクドナルドジョーンズスタジアムでのアイルランド代表戦へもリザーブで参加する。
