ラスト8分で退くまで、ラグビー日本代表の竹内柊平は爪痕を残した。
最前列の右PRとしてスクラムを安定させ、タックルすればすぐに起き上がって迫る走者を待ち構えた。
ただ本人はこの調子だ。
「まだまだ、テストマッチ(正代表戦)の体力ではない。求められているの(基準)は、そこじゃない」
話したのは6月27日。愛知・パロマ瑞穂スタジアムの取材エリアである。この日はJAPAN XVの3番をつけ、マオリ・オールブラックスを一時31-14とリードしていた。
世界中の主要なゲームを網羅する『RUGBY PASS』によると、タックル成功数は両軍2位の14を記録した。
かたやいまのジャパンが重視する独自の数値、ゴールドエフォートは「0」だったとのこと。就任3季目のエディー・ジョーンズヘッドコーチが求めるボールを持っていない時の勤勉さ、パフォーマンスの連続性には課題があると捉えられるわけだ。
何より件の試合は、自身が退いた後の連続失点もあり31-38と落としていた。身長183センチ、体重115キロの28歳は、その2日後にチームが開いたオンライン取材でもなお反省した。
「タックルには行きましたけど、何回ドミネート(向こうを圧倒する1本)があったのかという話です。タックルのよしあしって、(相手の動きの)コントロールを奪えたかだと、僕は思っているので。タックル数は僕の強みではありますが、そこで何回ボールを遅らせたか、ターンオーバーに繋がったかと言えば、それほどではなかった。より効果的なタックルに取り組みたいです」
今回のレビューを次の準備に活かす。7月4日には東京・秩父宮ラグビー場で新設ネーションズチャンピオンシップの初戦に挑む。日本代表として挑むテストマッチである。
対するはイタリア代表。世界ランクで日本代表を2つ上回る10位につく。日本代表は現体制初年度にあたる2024年の7月21日、北海道・大和ハウス プレミストドームで対戦した。14-42で敗れている。
欧州6か国対抗戦で底力をつけるイタリア代表を向こうに、自軍の進歩を証明したいと竹内は言う。フォーカスポイントのひとつに当時押されたスクラムを挙げ、軽量級の勝ち筋について展望する。
「あの時(’24年)は正直、積み重ねがないまま、自分たちのアイデンティティが定まっていない状態で臨んだ試合でした。経験値が積み重なったなか、スクラムで勝負できるかが楽しみです。(注目点は)低さだと思っています。マオリ戦では(塊全体が)上がってしまうことがありました。上がっちゃったら、体重勝負になってしまう。マオリに(最初のぶつかり合いで)6:4で勝っていても、上がって体重勝負になったらマオリが重い分、拮抗しました。そして、イタリア代表はもっと重い。ただ、自分たちの低さでのヒットで7:3に抑え込み、さらに低いまま行ったらイタリア代表はもう組みたくないと思う。キーポイントは低さと、マジで(FW)8人で組むことです」
守りでも前回のゲーム以上に「ロール(システム上の役割)の理解」したところを示したいという。2人がかりで走者を倒し、接点に圧をかけ、持ち出しからの攻撃を抑制したうえで、防御ラインをせり上げたい。
個人的には、お家芸のラインブレイクを披露したいとも語る。「ゲインライン(攻防の境界線)でフィジカルを発揮し、勝負できたらチームも勢いづく。(よい)影響を与えたいなと思っています」と頷く。本番は当日の17時40分キックオフ。
