ラグビーワールドカップ2027オーストラリア大会の前年となる2026年。世界トップ4入りをターゲットに掲げる日本代表のキャンペーンが、6月27日のJAPAN XV-マオリ・オールブラックス戦から本格化する。
対戦相手のマオリ・オールブラックスは、ニュージーランドの先住民族であるマオリのルーツを持つ選手のみによって構成された由緒あるチームだ。最初に結成されたのは1910年。以来、同国代表“オールブラックス”に数多くの名プレーヤーを輩出するとともに、国際ラグビー界において絶大な存在感を示し続けてきた。
ラグビーを国技とするニュージーランドでもマオリ・オールブラックスは特別な存在であり、誇り高き伝統を体現するチームとしてリスペクトされている。その基盤に息づくのは「ファカパパ(系譜)」と「マナ(威厳)」、そして強いアイデンティティで、マオリ・オールブラックスの選考対象となるのは、自身のマオリの血筋を認められた選手だけだ。ちなみに2012年以前は、「ニュージーランド・マオリ」や「ニュージーランド・マオリズ」という呼称が使用されていた。
日本代表とマオリ・オールブラックスは2008年の初対戦を皮切りにこれまで6回対戦しているが、そのうち直近の3試合はJAPAN XVとしての対戦(マオリ・オールブラックスは国代表でなくテストマッチではないため)。通算成績は日本の1勝5敗で、エディー・ジョーンズHCが就任した2024年の7月6日に豊田スタジアムで26-14と勝利したのが、初めてにして唯一の白星だ。
マオリ・オールブラックスの伝統的なプレースタイルは、接点で激しくファイトしつつ果敢にボールを動かすダイナミックなラグビーで知られる。スペースができれば迷いなく仕掛け、変幻自在のハンドリングでパスをつなぐアタックは、各選手に流れる「マオリの血のなせる技」ともいわれ、世界中のファンを魅了してきた。オールブラックスとは異なる迫力満点のハカ、「ティマタンガ」も必見だ。
対峙するJAPAN XVは名称こそ日本代表ではないものの、登録メンバーは基本的に代表チーム入りしている選手で構成される。翌週に開幕する新設国際大会「ネーションズ・チャンピオンシップ2026」への出場に向け、誰もがチャンスをつかむべく気持ちのこもったプレーを見せるだろう。
ゲームではまずラグビーの原点であるフィジカルのバトルでしっかりと対抗し、攻守の起点となるセットプレーを安定させることが勝利への絶対条件となる。多彩なスキルでボールを動かしてくるマオリ・オールブラックスのアタックに対し、どこまで粘り強くディフェンスし続けられるかも重要なポイントだ。
会場となるのは愛知県名古屋市のパロマ瑞穂スタジアム。2026年の秋に開催される「第20回アジア競技大会/第5回アジアパラ競技大会」のメイン会場として使用される予定で、5年間の改修工事を経て今年4月より供用が開始された約3万席の屋根付きの最新鋭スタジアムだ。隣接するパロマ瑞穂ラグビー場ではこれまでもNTTジャパンラグビー リーグワンや大学の公式戦などがおこなわれてきたが、新装されたパロマ瑞穂スタジアムでラグビーの国際試合がおこなわれるのは、今回が初となる。
見事に整備されたグラウンドで繰り広げられるJAPAN XVとマオリ・オールブラックスの激突は、迫力満点のエキサイティングな戦いとなるはずだ。1年後に迫ったラグビーワールドカップに向け飛躍を期す日本代表の第一歩に、ぜひ注目してほしい。
