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プレーオフで勝つには「コネクト」が肝。ワイルドナイツ・山沢拓也が語る大一番の焦点

2026.05.28

山沢拓也[埼玉WK/SO](筆者撮影)

 自信を持ってよいと言いたかったのだろう。

 埼玉パナソニックワイルドナイツの山沢拓也を「勤勉な選手。一方、自分にもっと優しくしなくてはいけない。最も彼を批判しているのは彼自身です」と評したのは、同じクラブのレジェンドで現BKコーチのベリック・バーンズだ。話をしたのは今年1月。今季のジャパンラグビーリーグワンが開幕し、約1か月が経った頃だ。

 その後、日本代表10キャップのプレーメーカーは、好調なチームの舵取り役として持ち前の技巧を披露し続けた。同じSOのポジションの名手がコーチ陣に入閣したなか、リラックスしながらも従前通りのストイックさを保っている。

 1部の12チーム中2位で終えた約半年間のレギュラーシーズンを通して、ゴールキックの成功率を86.1パーセントとした。ベストキッカーのタイトルを獲った。

 それでもなお、「まだまだ完璧だとは思っていないです」。球に足を当てるまでの動作などを、いまなおブラッシュアップしている。

「理想像に対して(の達成度)は、まだ。全て(のゴール)が入るとは言い切れないですが、入れたいとは思っています。自分のやれる準備だけは、しっかりしておきたいです」

 取材に応じたのは5月27日。拠点で全体トレーニングと個人でのキック練習を終えた直後のことだ。

 チームは31日、東京・秩父宮ラグビー場でリーグワンのプレーオフ準決勝にシードの立場で出る。相手は準々決勝を勝ち上がってきたクボタスピアーズ船橋・東京ベイだ。

 レギュラーシーズンでの直接対決で32-30と辛勝したクラブとの再戦でも、2016年加入で31歳の名手は出場と活躍が期待される。もしプレーが叶った場合の留意点を問われ、「エリア」をキーワードに挙げる。

「色んなポイントがあるとは思いますが、戦うエリアは、大事になる」

 向こうには身体が大きく突進力のある選手が多いとあり、なるたけ敵陣で時間を使いたい。自らを含めたBK陣が放つキックの方向性、精度、さらには、その弾道を負うチェイス役の頑張りを大切にしたい。

「キックだけではなく、チェイス(も必要)。チーム全体、皆に役割がある。(自身は)空いているところに蹴られるようにしたいです」

 スピアーズはSOにオーストラリア代表76キャップのバーナード・フォーリー、最後尾のFBにはニュージーランド代表1キャップのショーン・スティーブンソンを擁する。特にスティーブンソンはキックの飛距離に定評がある。

 ただしどんなロングキッカーでも、タイトなプレッシャーのもとでは精度が狂うかもしれない。山沢は「それは、誰でもそうなので」と頷く。再び強調する。

「キックを蹴る人はキックの精度、チェイスをする人はチェイス(の質が大事)。蹴られた後の対応もある。色々なところにキーがある」

 今度のプレーオフは、優勝すればリーグワン初年度にあたる’21年度以来となる。それ以降は2季連続で準優勝に終わるなど、あと一歩で悲願を叶えられずにいる。山沢は言う。

「プレーオフではチームでのコネクトが全て。コミュニケーションを取り、それ(繋がり)をプレーで表現する。そういったところ(一枚岩になる様子)を感じられた時に、個人個人も思い切ったプレーができ、(互いに)支えることも、支えられることもできる」
 
 球を捕る、投げるといった動作の柔らかさ、パスの球筋の鋭さは折り紙付き。同僚のCTBで日本代表38キャップのディラン・ライリーは、山沢のパスや短いキックを受ける感触をこう表現する。

「彼と一緒にプレーした試合では、自分がうまくなっているのではと思わせてくれます。穴があればそこへ(ボールを)通してくれる」

 短期決戦は総力戦だ。攻めの軸となる山沢は、どんなメンバーと戦うことになってもコンビネーションの質を高次で保つために「具体的なところでいうと(次にする)プレーのコールを早く伝えてあげるとか、(全ての選手に)迷わせないための手助けをしたい」と誓う。

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