もどかしかったのではないか。
5月24日に東京・秩父宮ラグビー場であった国内リーグワンのプレーオフ準々決勝で、レギュラーシーズン3位のクボタスピアーズ船橋・東京ベイは東芝ブレイブルーパス東京を何度も攻め立てながら前半を7-3と僅差で終えた。
ハーフタイム以降も22メートルエリアに10度以上侵入しながら、得点できたのは3度。結局、前年度の決勝と同じカードでもあるこの80分を26-3で制した。点差以上に力を示したとも、2022年度以来2度目の日本一達成へ宿題を持ち帰ったとも捉えられた。
「ブレイブルーパスさんがいいチームだったのもあり、プレッシャー下で自滅したところがありました。アタック全般はよかったですが、最後の最後のパス(ミス)、ノックフォワード、繋がらないオフロードパスがあった。敵陣22メートルエリアでリラックスしきれなかったためにやり切れなかったプレーがありました。ただ、ほとんどの場面では正しいエリアでプレーできていました。(十分に)得点に変えられなかったことをいい学びとして来週に向かいます」
こう総括するのはバーナード・フォーリー。オーストラリア代表76キャップの熟練者だ。この日のスピアーズで司令塔のSOとして先発し、64分間プレーした。
ミッドフィールドにおける攻撃機会でフォーリーがキックを選ぶシーンは、前半27分になってようやく訪れた。それだけスピアーズは勢いよく攻めていた。左中間、右中間で味方が再三のラインブレイクを起こした。10番の述懐。
「相手チームのロングキックからはカウンターアタックをというプランに沿って、他の選手たちがしっかりやってくれた」
31日に秩父宮である準決勝では、順位で1つ上回る12チーム中2位の埼玉パナソニックワイルドナイツとぶつかる。堅守速攻を重んじるワイルドナイツに、スピアーズは前回の直接対決で惜敗している。プレーメーカーは展望する。
「何度も言う通り、正しいエリアでプレーできた。あとは(決定機での)遂行力です。プレーオフで訪れる少ないチャンスを獲り切れるか。特にワイルドナイツのような強い相手とのゲームでは、それが重要になります」
今季限りでスパイクを脱ぐと表明したのはレギュラーシーズン終盤戦。クラブ関係者によると、移籍を希望する場合には協力するといった打診にも通称「ナード」は首を横に振っていたという。
ところが母国では、この人が帰国後に現役を続ける可能性が報じられている。いつも本人と顔を合わせているスピアーズ側はその線に懐疑的ななか、フォーリーはどう応じるか。
「そんな話は挙がっていますが、まずはスピアーズでのシーズンにフォーカスします。その後、考えます。もっとも私は、いままでのキャリアには満足していますが」
加入7季目でいつも陽気な身長182センチ、体重89キロの36歳は、ふわりとした口調で応じた。仮に引退撤回となったとてスピアーズ首脳は応援する構えとのことだが、そもそも当事者の心境は流動的のようだ。不明、未定あたりが答えとなろう。
「まずはワイルドナイツさんとどんな試合ができるか(に集中)」とフォーリー。問答を終えると、日本語で「また来週!」と述べてその場を去った。
