リーチ マイケル、その人らしかった。
5月24日、クボタスピアーズ船橋・東京ベイとプレーオフ準々決勝を戦い、3-26で敗れた。
東芝ブレイブルーパス東京の背番号8は後半18分、相手のNO8マキシ ファウルアの突進を正面で受け止め、地面に倒れる。
まもなくHIAテストで陽性と判定され、そのままベンチに座った。
「今日はルアとのマッチアップが何度もあった。思い切り入ったろう、と。タックルした瞬間に肩が痛くなりました。戻れるかなと思っていたので、チームに申し訳なかったです」
あくまで「全部覚えています」と、脳震盪ではないと言いたげだった。
負傷すればキャプテンであっても試合後の記者会見に出席しないのが常。実際、当初はバイスキャプテンの松永拓朗が登壇するとアナウンスされた。しかし、この日のリーチは「最後だから」と報道陣の前に姿を現した。
「過去のことを振り返らずに、一発勝負のマインドで(臨んだ)。最後の試合だと思って、東芝スタイルでいこう」と試合前の心境を語り、「自分たちのスタイルでやり切れたと思います。これ以上出せることはないです。その上で足りなかった」と振り返った。
8勝10敗の6位で終わったレギュラーシーズンについては、「良い試合もあれば悪い試合もあり、ワンルーパス(ファンの愛称)に対して酷い試合を何度か見せてしまった。深く反省しています」と述べた。
負け越した要因の一つに、「他のチームがフィジカル、コリジョンに力を入れていた」ことを挙げる。
「個人スタッツを見ると、昨シーズンは東芝の選手がどの項目にもトップ10に入っていたけど、今年は入っていない。伸ばさないといけない」
接点無双を掲げるチームの原点回帰を示唆しながら、連覇の難しさは「進化しないといけないこと」と語った。
「2連覇、3連覇の難しさはほとんど変わらない。どのチームも自分たちに対して向かってくる。去年と365日、同じことをしても同じ結果になるわけではない。(試合までの)準備を変えないといけない」
スーパーラグビーに挑戦しているHO原田衛(モアナ・パシフィカ)、LOワーナー・ディアンズ(ハリケーンズ)の不在の影響を問われると、「いなくなってから二人の存在は大きいと感じた」としながら「でも彼らがいなくなったからこの結果になったというのは違う。(LOマイケル)ストーバーグはラインアウトの質もワークレートも高い。HOには(アンドリュー)マカリオがいる」。
この日は喪章をつけて試合に臨んだ。スピアーズに在籍するトゥパ フィナウの妻でオペティ・ヘルの姉であるロウェナさんが亡くなったと聞いたためだ。
「トゥパの家族には、日本語でなんで言えばいいのかな…」と英語に切り替えてまもなく、山内遼通訳が「お悔やみ申し上げます」と付け加えた。思いやりの心を忘れなかった。
