今季限りでの引退を表明していた静岡ブルーレヴズのLO大戸裕矢(36)が5月9日、リーグワンD1最終節・横浜キヤノンイーグルス戦(ヤマハスタジアム⚪︎42-15)に後半14分から出場。全力を出し切り、現役ラストマッチで勝利をつかんだ。
2012年、当時トップリーグのヤマハ発動機に加入し、以来14季に渡り戦い続けてきた大戸。最後のシーズンとなった今季もリーグ戦全18試合で出場機会を得た。最終戦はリザーブで登録され、試合前のメンバー紹介では来場した13,165人のファンから一際大きな声援を受けた。
後半14分からピッチに登場すると、ファーストプレーのスクラムで自身とブルーレヴズの強みを見せつける。トライライン目前、中央のポイント。FW陣の強力なプッシュでコラプシングを誘発し、イーグルスは反則の繰り返しによりイエローカードで1人を一時的に失う事態に陥った。数的有利のブルーレヴズは4回のペナルティを与えられた末、18分にスクラムから右サイドに展開すると、WTB杉本海斗が大外を抜けてチーム6本目のトライを奪った。
試合終了後、セレモニーでマイクを握った大戸は、2015年に勝ち取った日本選手権優勝を「素晴らしいページ」と表現。続けて「リーグ戦で優勝という目標というが叶わなかったのは悔いがあり、心残りがあります。でも、来シーズンも残ってくれるメンバーが絶対に成し遂げてくれると思うので、皆さん引き続きブルーレヴズの応援をよろしくお願いします」とファンへ呼びかけ、次世代へバトンを託すチームメイトにエールを送った。
記者会見では「今日、このような素晴らしい舞台に立つことができて、恵まれた幸せな現役生活の終わりを迎えられました」と改めて感謝を言葉にした。引退を考え始めた時期は今季の途中で「僕自身の年齢もありますし、次のキャリアも考えましたし、若い選手たちが次に育っていくために決断しました」とリタイアの胸の内を明かした。
187センチ・100キロ。セカンドローとしては決して大きくないボディサイズで、ハードワークを続けてきた。藤井雄一郎監督は大戸について「サインプレーを間違えることがない」「どんなプレッシャーがかかっても同じプレーができる」と強みを表現している。大戸本人も「小さくても、一つ武器があれば戦えますし、この先日本人選手のセカンドローが出てくることを願っています」と日本ラグビーの今後への期待を含め、思いを語った。引退後のキャリアは「まだ未定」だが、「なれるのであれば指導者になりたい」と意向を述べた。
