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トヨタヴェルブリッツのスティーブ・ハンセンHCが今季限りの退任明かす。日本のレフリングへの警鐘も

2026.05.09

試合後の記者会見に臨んだハンセンHC(左)と奥井章仁ゲームキャプテン(撮影:BBM)

 5月9日に三重ホンダヒートと対戦し、26-38で敗れたトヨタヴェルブリッツのスティーブ・ハンセンヘッドコーチ(HC)が試合後、今季限りでの退任を明かした。

 後任には共同コーチを務める元ニュージーランド代表HCのイアン・フォスター氏が就く。

 67歳のハンセンHCはオールブラックスのHCを担った2019年のワールドカップ終了後に、トヨタヴェルブリッツのディレクターオブラグビーに就任。2024-25シーズンから現職も兼任していた。

 今回の退任は、フォスター氏が入閣した「2年前に決断した」という。
 HCを務めた2季は10位、9位だった。

 自身の退任を明かすとともに、この日のゲームに触れながら日本のレフリングに対して警鐘を鳴らした。

「非常に難しいゲームであり、非常に残念なゲームでした」と切り出し、「というのもレフリングの質が低く、選手たちが気の毒に思えた」と吐露した。

「前半は本来許されるべきでないプレーが許されていました。後半は2本のトライがTMOで取り消されましたが、そのうちの一つは信じがたい判定でした。ボールにまったく関与していないのにオブストラクションとされたのです。本当にフラストレーションが溜まりました」

「私はもうチームを離れるので、あえて言います」と、さらに強い言葉で訴えた。

「日本のラグビーを大切に思っているし、選手たちのことも思っているから言います。正直、日本で過ごした時間の中でもっとも失望していることのひとつが、レフリングの質がこの大会のレベルに達していないということです。これは今日に限らず、毎週のように起きています。でも誰も何も言いません。こうしたことを公に言うのは日本の文化ではないかもしれませんが、改善したいという思いが強いからこそ発言します。誰も声を上げなければ、何も変わりません。良いラグビー選手を育てたいのであれば、レフリーの育成システムも改善しなければなりません。日本ラグビー協会とリーグワンには、この問題に対処してほしいと強く求めます」

 報道陣からTMOについて詳細を求められた同氏は、こうも続けた。

「現在のラグビー界はTMOで試合を止めすぎていると感じます。本来は見逃しを防ぐために導入されたものですが、行き過ぎています。試合が頻繁に止まり、観客やテレビで観ている人も困惑しています。テストマッチでも同様で、もっとシンプルにする必要があります。ラグビー自体が複雑な競技であることは理解しています。ただ現状のシステムの中では、レフリーの教育を改善することで結果やパフォーマンスも良くなるはずです」

「現状では、レフリーやアシスタントレフリーと話すことはできません。チームが唯一会話ができる人物は、そのレフリーグループをリードしている担当者です。毎週、判定ミスについて謝罪のレポートが届きますが、それで機能しているとは思えません」

 話題がヴェルブリッツに移ると、この日ゲームキャプテンを務めた奥井章仁や青木恵斗といった若手の有望選手について触れた。

「彼らのことを誇りに思っています。非常に努力していますし、大きく成長しました。将来有望な選手も多く、日本ラグビーを長く支えていく存在になるでしょう」

「このチームは今後さらに強くなり、いずれは上位に食い込む力を持つと信じています。トヨタのファンの方々には、ぜひ辛抱強く見守ってほしいです。必ず結果はついてきます」と語った。

 なお、ヒートのキアラン・クローリーHCも記者会見で今季限りでの退任を明かした。

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