ラグビーリパブリック

D-Rocks新人の森山海宇オスティン、タックル連発のデビュー戦で劇的勝利。心境は

2026.05.06

(中央)森山海宇オスティン[浦安DR/FL]©︎JRLO

 昂っていた。楽しめた。
 
 2026年5月1日。夜間照明に照らされた東京・秩父宮ラグビー場で、国内リーグワン1部の初陣を飾ったのが森山海宇オスティンだ。東洋大出身のルーキーである。

 身長181センチ、体重107キロの背番号7は、立ち上がりからピンチを迎えるや鋭いタックルを連発した。

「緊張しました。でも、最初は緊張どころじゃないくらいにきつかった。楽しかったですけど、きつかったですね」

 その後もトライラインを背にした局面で身を挺していた。必死だった。

「ここで自分が入らなきゃ抜けちゃう(失点に繋がる)だろうなという場面が多かったので、そこでは絶対に止めてやろうと思っていました」

 戦前まで12連敗中で最下位に苦しむクラブにあって、首位だった埼玉パナソニックワイルドナイツへ牙をむいた。

 27-24。ラストワンプレーで逆転勝利を決め、ロッカールームでは祝福のダンスを踊った。

 敗れたワイルドナイツには、東洋大で1学年先輩のモーリス・マークスがいた。本人が地道なトレーニングで身体を大きくしてきたのを知るだけに、初陣を祝福した。

「彼は努力家です。きっと早くデビューするだろうと思っていました」

 ナイジェリア人の父を持つ森山は、中学1年でラグビーと出会った。日本と異国のダブルの学生が多い目黒学院高へ進み、大学も多様性で知られる環境をチョイス。’25年度はその東洋大で副将を務め、23歳以下日本代表としても活動した。

 昨年12月からのリーグワンへは、大学4年生が公式戦出場を狙うアーリーエントリーの制度を使って参加。練習やトレーニングマッチで与えられたタスクを全うし、今度のチャンスを掴んだ。

 SOで32歳の田村煕は太鼓判を押す。

「文句を言わないし、ひたむきにやるし、一生懸命な選手です。きつくなってきた時もずっと同じテンションでやってくれるのが助かる。チーム全員が学ぶべき」

 今回、一部のメンバーはレギュラーシーズン後の入替戦を見据えてコンディション調整を優先させていたようだ。森山は、抜擢された若者として組織の競争力を示したとも言える。

 マネジメント層の一新に伴って就任したグラハム・ラウンツリーヘッドコーチは、体制が求める「育成型クラブ」の方針を貴ぶ。時間があれば関東地区の大学の練習を見学し、逸材を探索する。

 森山はラウンツリー来日前に入部を決めた選手だが、新指揮官のたたずまいには「情熱的。面白い時は面白い」と感心。今後の献身を誓う。

 この夜は試合終盤、ワイルドナイツで自身と同じFLとして先発したベン・ガンターと正面衝突。現役日本代表選手でもあるガンターのタックルには、驚かされた。

 今後は突進で対抗すべく、当たり方を工夫するという。

「(ガンターは)むちゃくちゃ、強かったです。初めてトップレベルのタックルを…。大学の時みたいにはあまりうまくいかなかった。リーグワンの選手は身体がでかいので、(ボールを持つ際は)低く、ドライブしたいなと」

 自信を保ったまま課題を克服する。この国で最高峰のリーグを戦うにあたり、「誰からも応援される選手」でありたい。

Exit mobile version