強靭な人が軽やかであろうとしていた。
クボタスピアーズ船橋・東京ベイの木田晴斗は4月25日、本拠地のスピアーズえどりくフィールドでジャパンラグビーリーグワン1部の第16節に出場。三重ホンダヒートを54-21で下すまでの間、随所に持ち味を発揮していた。
身長176センチ、体重90キロ。昨夏に念願の日本代表デビューを果たした27歳は、持ち場である端側のWTBで先発。自らのコンディションと向き合いながら今季通算12度目の出場となったこの日は、衝突局面で目立った。自陣ゴール前で相手走者をタッチラインの外へ押し出したり、味方が蹴り上げたボールを高い打点でキャッチしたり。
特に前者の局面で対峙したのは、テビタ・イカニヴェレ。フィジー代表主将でもあるパワフルなHOだった。
「1対1でトライセーブをしないといけない場面だった。少しセット(位置取り)が遅れてバッキングの形(戻りながら止める)になってしまって、もう少し(タックルの瞬間に)身体を当てられたな、という反省はあります。ただ、結果的には止められてよかったです。相手が(順位上)プレーオフ出場をかけて後がない状況。それに対してフィジカルで負けない(というマインドセットで)準備してきました。(ぶつかり合いは)しっかりスクエア(向こう側に正対して)入ればいけるなと。身体の調子も上がっています」
攻めては前半10分頃、自陣深い位置から左タッチライン際を駆け上がった。進路をふさぐタックラーは左から右へのステップでかわし、オフロードパスをつないだ。
この鮮やかなシーンについて、本人は「トライを獲るのが僕の仕事」。もっと伸びしろがあると言いたげ。奪えたトライは後半37分の1本に限られた点も踏まえてだろうか、翌週以降をこう展望した。
「全てが全て(のシーン)でトライを獲れるわけではない。ただ、ああいう(敵陣ゴール前から遠い)場面でもトライを獲っていけるよう、自分のランを磨いていきたいです」
もっともそれ以外の場面でも、強烈な走り、タックラーに掴まれてからのボディバランスの妙を披露できた。生来の強さをフル出力するか、脱力して次のプレーに繋げるかの微調整を、最近の個人テーマとする。
シーズン中はトライ王を目指すと宣言していた。現在コベルコ神戸スティーラーズの共同主将でLOのブロディ・レタリックが、16本をマークしてランキングを独走している。
木田はこれまで10本を記録。レギュラーシーズンを残り2試合とし、こう言葉を選んでいた。
「どんどん(差は)離れていっていますけど、まだ、諦めてない。狙っていきたいです」
目下12チーム中3位のスピアーズは、すでに6傑によるプレーオフ行きを決めている。5月3日には福島・ハワイアンズスタジアムいわきで4位のリコーブラックラムズ東京と激突。続く10日の第18節はえどりくでおこない、レタリックを擁する2位のスティーラーズとぶつかる。
