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イーグルス2連勝。殊勲の田畑凌は「少しの配慮が(チームを)いい方向に」と指摘。

2026.03.26

3月20日の神戸S戦、後半35分にトライを決めた田畑凌[横浜E/CTB](撮影:平本芳臣)

 もともと最下位だった横浜キヤノンイーグルスが、首位のコベルコ神戸スティーラーズに勝った。

 3月20日、兵庫の神戸総合運動公園ユニバー記念競技場。国内リーグワン1部・第12節で38-29と、今季3勝目を挙げた。目下、敵地で2連勝中である。

 上位陣撃破に際し、大仕事をやってのけたひとりが田畑凌。後半29分にCTBで途中出場すると、35分にだめ押しのトライを刻んだ。右端のスペースに立ち、SOの田村優が接点からさばいた球を受け取って決めた。

 本来、起点からパスを出すSHのファフ・デクラークが、背中を打って地面に倒れていたタイミングだ。それを田村が察知し、持ち場を離れて田畑へ繋いだ。

 仲間同士の助け合いが生んだスコアを、フィニッシャーはこう振り返る。

「待っていたら、来た!という感じです」

 殊勲の22番はその後、鋭いタックルとターンオーバーでも光った。仲間たちもよく防御で粘っていただけに、「(この日多く見られた)ゴール前のディフェンスは、チームのプライドが見えるところです」と微笑む。

 他会場の結果を踏まえ11位に止まるも、一時は10位に浮上した。勝ち点は15で、6位の東芝ブレイブルーパス東京との差は11。1試合で最大5ずつ積み上げられる制度のもと、レギュラーシーズン残り6試合でのプレーオフ進出(6傑)も諦めていまい。

「いままでより、やることが明確になってきた。また、チームとしてのコネクトが一段と上がってきたのかなと。それで、いいエネルギーが増している」

 身長177センチ、体重93キロの22歳は、2019年に京産大から入団。「ライザーズ」と呼ばれる控えチームで地道に努力し、史上最高の3位についた’22年度にリーグワンデビュー戦初トライをマークした。’23年4月9日の第14節で、NECグリーンロケッツ東葛を45-17で破った日だ。

 翌’23年には、現主将のジェシー・クリエルが怪我で抜けた穴をカバー。2シーズン連続の4強入りを達成した。

 選手同士の一体感、部内の競争原理を、無形の力に変えた感覚がある。最近の復調ぶりについて、「コネクト」という言葉を使うのはそのためでもあろう。

 指導体制を刷新して臨んだ今季は、開幕6連敗。攻守で連携ミスが目立った。

 この苦しい船出を受け、グラウンド内外の繋がりを見直した。2月、クラブ文化を高次で保つ「ブランドリーダー」を久しぶりに復活させた。

 かつて「ライザーズ」から這い上がった中堅戦士は、こう俯瞰する。

「それぞれの選手がどうにかしたい、何とかしたいと考え、少しの配慮、少しのコミュニケーションを(意識)。日常生活で、どうでもいいだろうという内容の一声をかけるだけで、コネクトは強まります。それが(組織を)いい方角に向けています。いい成績を残した時に、チームにプライドがあった。それが少しずつ(戻っている)」

 現在、クリエルら複数の頼れるメンバーが戦列を離れている。この午後が今年度5度目の出番となった田畑は、こうも続ける。

「故障者が出てBKは入れ替わり、立ち替わりという感じ。ただ、そのたびに出てくる選手が活躍して2連勝に繋げています。いい準備をできている選手がたくさんいる証明にもなっています。いつチャンスが来てもいいようにと、皆が(現状を)自分事として捉えている」

 28日には神奈川・日産スタジアムで、トヨタヴェルブリッツとの第13節に挑む。集団としての力を蓄え、本拠地初白星を掴みたい。

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