怪我人が戻ってきたのもあってか、横浜キヤノンイーグルスが復調の兆しをのぞかせている。
ジャパンラグビーリーグワンで一昨季まで2季連続4強入りのイーグルスは、レオン・マクドナルド新ヘッドコーチ体制1季目となる今シーズンに開幕6連敗。第12節開始前の時点で、12チーム中最下位に甘んじている。
もっとも直近の第11節では、昨季の対戦で敗れた三重ホンダヒートに31-26と勝利。栃木のホンダヒート・グリーンスタジアムにおいて、粘りの防御とエリア獲得からの着実な加点を利かせた。
CTBで南アフリカ代表87キャップのジェシー・クリエル主将を欠きながら、SHで同60キャップのファフ・デクラークを戦列に戻していた。マオリ・オールブラックスで主将経験のあるFLのビリー・ハーモンも、第9節から4試合ぶりに戻っている。役者は揃ってきた。
次戦は20日。敵地の兵庫・神戸総合運動公園ユニバー記念競技場で、現在首位のコベルコ神戸スティーラーズと今季2度目の対戦に臨む。
前回は第6節にぶつかり、本拠地の神奈川・ニッパツ三ツ沢球技場で32-38と敗れた。当時の様子について、前主将の梶村祐介は正直に述べる。
「難しいシーズン。たまたまこういう(苦しい)ゲームをしているのではなく、なるべくしてなっていると感じます」
語ったのは、2勝目を挙げる約3週間前のことだ。
当時は攻防の起点であるラインアウトの獲得に苦しんでいて、攻撃が得意なはずなのに守る時間が増える状況に置かれていた。
加えて、連続攻撃にミスが起きるや一発で失点するシーンもあり、「ボールを持つほど苦しんでいる感じがしています」。日本代表7キャップ保持のCTBは、攻防のシステムそのものには問題ないとしながら、現場での遂行力を改善すべきだと語った。
「ボールを失うシーン。ディフェンスが淡泊なこと。いまのところ(2月中旬)は、我慢強さはあまりないように感じます」
問題解決の一環か。シーズン中、クラブが前年度まで実施していたブランドリーダーによるミーティングを再開させた。
トレーニングでの態度、共用スペースの使い方をはじめ、競技力を問う以前の個々のあり方などを話し合うのがブランドリーダーのタスクだ。攻撃への意欲に加えて泥臭さを売りにしてきたイーグルスにとって、それは必要不可欠な要素だったのかもしれない。
現在、フィールド内のグラウンドリーダーだけを務める梶村は、こう述べていた。
「(いまの指導陣は)ブランドリーダーがやっている仕事もグラウンドリーダーに担って欲しいという思いがあったのだろうと個人的に感じていました。ただ、グラウンドリーダーはブランドリーダー(の職務)には(現実的に)触れられない。わけてもらったことはありがたいです」
ヒート戦では苦境を脱する場面もあった。梶村が求める、集団としての「我慢強さ」も取り戻されつつあるか。東京サントリーサンゴリアスから移籍して5シーズン目。体制の変化に関わらずこのチームへのコミットメントを誓ってきた30歳は、明るい未来を作り直せると信じる。
