ジャパンラグビーリーグワン1部で2連覇中の東芝ブレイブルーパス東京が、3連覇の待たれるシーズンで苦しんでいる。
3月15日、東京・秩父宮ラグビー場。東京サントリーサンゴリアスに21-60で屈して5連敗を喫した。
かねて組織的にスペースを攻めるアイデアと個々の推進力がシンクロしていたものの、最近では防御の圧力に屈して好機を逃すことが増えた。攻防の起点となるスクラム、ラインアウトでも後手を踏み、反則もかさむ。
「正直、本当に色々なところに着手しないといけない。アタックのスキルの遂行力も、ディフェンスも、セットピースも、ブレイクダウンのレース(接点への2人目の到達)も…」
潔く語る所属選手はリッチー・モウンガである。
ニュージーランド代表56キャップのSOで、入団1年目から昨季まで2年で連続MVPを受賞。国内シーンの顔役を担ったこの31歳は、厳しい現実に直面している。
件の「ブレイクダウンのレース」で言えば、サンゴリアス戦の後半18分頃のワンシーンを悔やむ。
中盤に得点して21-34と追い上げていたなか、トライラインドロップアウトからのアタックの際に簡単にスティールを許した。チャンスをふいにした。
「あれは、(サポートに)行けばよかっただけなのに…」
司令塔が指摘するプレーは、いずれも前年度までのブレイブルーパスが高次で徹底できていたものばかりだ。
「小さなプレー(の積み重ね)です。『あのブレイクダウンが○○だったら、あのラインアウトが××だったら』といったものがひとつひとつ決まってくれば、点差を離されずに戦い続けられる」
HOの原田衛、LOのワーナー・ディアンズといった日本代表組が昨季終了後にスーパーラグビーへ挑んではいるが、このクラブが育成力と団結力で勝ってきたとモウンガは知る。
それだけに、編成にまつわる言い訳とは距離を置く。あくまで、フィールド上での現象だけをフォーカスした。
頻発するペナルティーについては、こう分析する。
「このことはチーム内で話しています。例えば、ボールが欲しいと必死になってブレイクダウンに頭を突っ込んでしまって反則を取られたとする。それは、どれだけチームのシステムを信じ、そのなかで役割をやれるか(を問うこと)で改善できる」
苦境に陥ったら、まずはアルコールを交えた決起集会では。報道陣のひとりにその旨で聞かれても、「我々にはプロとしてのスタンダードがある。また、飲んで一致団結しなければいけないほど、我々は離れた関係性ではない」。毅然としていた。
「外から見たら『バラバラになっているんじゃないか』『お互いを思う気持ちが失われているのではないか』と想像されるかもしれませんが、そんなことは一切ない。ただグラウンドで、チーム競技としてのラグビーでやるべきことをやる点が欠けている」
22日には秩父宮で三重ホンダヒートとぶつかる。38-44で屈した第7節(栃木・ホンダヒート・グリーンスタジアム)のリベンジを果たせるか。
このシーズン限りで退団のモウンガは、「いまは5連敗中ですが、ここから優勝すればいいストーリーです」。有終の美を飾るのを諦めない。
