聴覚に障害のある人たちが行う“デフ(=deaf)ラグビー”。今秋東京で開催される第3回7人制デフラグビー世界大会に向け強化を進めているが、今大会から採用される“サイレントラグビー”への対応が、聴者への啓発に繋がっている。
元来、聴者とほぼ同じ条件で試合を進めてきたが、今秋大会より、レフリーは笛を鳴らさず、それを補うため、目立つ色の手袋をはめて大きな動作でレフリングする他、ゴール下にアシスタントレフリーを配置して進行をサポートする“サイレントラグビー”で行うことになった。聴こえの状態は個人によって違うので、笛を鳴らすことで不利益が生じてしまうことへの配慮である。
日本のデフラグビー選手は少なく、国内ではデフ同士の対戦はセブンズでも難しい。勢い、聴者チームとの対戦が必須となる。笛の音が鳴らない試合を見た健聴者は恐らく“物足りない”とか“分かりにくい”という印象を受けるに違いない。
しかし、これこそが“聞こえない疑似体験”であり、聴こえないことによる不便さを気付かされる場となっているのだ。
強化試合を重ねる度に、多くの聴者選手が体験し「しっかりレフリーを見るようになりました」という声もきかれ、これを機に手話を始める人が現れるなど、社会へ向けての啓発に繋がっている。
決勝トーナメントの行われる11月3日(祝)には、聴覚障がいに対する理解が深まることを期待したい。
<第3回7人制デフラグビー世界大会日程(東京都内)>
・10月31日・11月1日=予選
・11月3日(文化の日)=決勝トーナメント
