ルーキーが好調を支える。
コベルコ神戸スティーラーズは第8節から東芝ブレイブルーパス東京、埼玉ワイルドナイツと強豪を連破。連勝をトップリーグ以降最長の「8」に伸ばした。
リーグ屈指の推進力を誇るアタックを操るのがSHの上村樹輝(かみむら・いつき)だ。
実質加入1年目の23歳。アーリーエントリーでシーズン途中に合流した昨季は、同期で一番早くに出場機会を与えられた。第11節から8試合に出場、先発は二度経験した。
今季はここまで全試合に出場中。第3節からは背番号9を託され、第9節のワイルドナイツ戦では最長の75分間、グラウンドに立った。
ここまでの体感を語る。
「チームにも、このリーグにも慣れてきました。ただ、東芝戦でのインターセプトだったり、ちょっとしたミスがまだあります。もう一つ上のレベルに行くためには、そういう細かいところも突き詰めないといけません」
帝京大では苦杯を舐めた。同期には1年時から背番号9を射止めた李錦寿(り・くんす/現・埼玉ワイルドナイツ)がいた。
上村も2年時からリザーブ入りしたが、その序列は最後まで変わらなかった。
「ずっと悔しかったですし、リーグワンでは絶対にやり返す気持ちでいました。錦寿の頑張りは僕の頑張りに繋がるし、向こうもそうであって欲しいですね。良いライバル関係のまま、この先も切磋琢磨したいです」
日本一のチームでポジション争いをしてきたのだから、控えに回っていたからといって自信は失わなかった。
「自分のパフォーマンスが劣っているとは思っていませんでした。帝京のスタイルには錦寿の方がフィットしていた。逆に神戸のスタイルは自分と合っているなと」
強みの一つである素早いリサイクルが、その言葉通り、アタッキングマインドの強い神戸で「ハマった」。
原点は洛西ラグビースクールを経て加わった西陵中だ。伏見工(現・京都工学院)OBの伊藤賢監督のもとで、SHとしての所作を叩き込まれた。
「伏見が『動かすラグビー』をしていたので、中学の時から速いテンポで捌き続けろと言われ続けてきました。そのまま僕も工学院に進学したので、その教えはずっと僕の中にあります」
神戸にはその強みをさらに磨ける環境がある。同じSHで競うのは日和佐篤だ。日本代表51キャップを誇る38歳である。
「まず、めっちゃ元気です(笑)。ほんまに38歳なんかなって思うくらい。ラグビーに対する向き合い方、グラウンドでの姿勢、人としても素晴らしいです。すべてが勉強になります」
他チームに目を向ければ、身近なライバルは李の他にも横浜キヤノンイーグルスの土永旭がいる。この日本代表候補は西陵中で同級生だった。原動力はたくさんある。
「いまは使ってもらっている感謝の気持ちを忘れずに、もっとチームに貢献したいです」
2月28日の第10節・浦安D-Rocks戦でも背番号9を背負う。この4連戦を最高の形で締めくくりたい。
