ラグビーリパブリック

連戦に決意。サンゴリアスの竹内柊平が異常なまでにトレーニングをするわけ。

2026.02.21

練習後の竹内柊平[東京SG/PR](筆者撮影)

 ひと区切りがついた。

 東京サントリーサンゴリアスに移籍1年目の竹内柊平は、古巣との初対決をそう締めくくった。
 
「当たり前ですけど、自分はD-Rocksではなくサンゴリアスの人間。終わった後はほっとしたではないですが、視界が、クリアになりました」

 2月14日、海外挑戦のため昨季限りで退団した浦安D-Rocksと対戦。国内リーグワン1部の第8節だった。

 最前列の右PRで先発の28歳は、56分間出場。「賭けていた」という防御で奮闘した。対するFBで代表経験者の山中亮平が、何度も自らの立つ位置へカウンターアタックを試みてきたのを「狙っているんじゃないか」と苦笑しつつ正確に仕留めた。

「レンジ(守備範囲)の広さが僕の強みだし、それがチームに求められていること。それで結果を出したい」

 41-19で今季4勝目を挙げたその舞台が、自身の地元である宮崎のKUROKIRI STADIUMだったのも感慨深かった。

「宮崎で試合をするのは高校生以来。しかもできたばかりのいいグラウンドで、お世話になった人たちの前でプレーするのは特別でした。緊張しました」
 
 宮崎工高、福岡の九州共立大を経て、2020年、D-Rocksの前身であるNTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安へトライアウトで入った。

 学生時代に踏んだトップレベルの舞台は、学生ラストイヤーの大学選手権のみ。トップ級にあっては異色の経歴ながら、’22年に日本代表へ初選出された。’24年よりさらに出世。当時から続くエディー・ジョーンズヘッドコーチ体制のジャパンでは、主戦級に遇される。

 今年も2月2日発表の代表候補に名を連ね、6月以降の国際舞台を見据える。フィジカリティの強い上位国とのバトルを念頭に置き、現段階から体重増加に挑む。公式のサイズは「身長183センチ、体重115キロ」ながら、実際の重さは「120キロ」とのことだ。

 オフ日返上のジムワークで筋量を増やしながら、身体動作に関する特別メニューをこなす。サポート会社と連係してのサプリメント摂取、けが予防のピラティスも怠らない。

 コンディションを整えて週末の真剣勝負に挑みながら、シーズン中に減少しがちな体重を上向きにさせている。

 常軌を逸した努力について、くだけた調子で伝えるためだろう。「あほみたいに、トレーニングしています!」と聞き手を笑わせた。

「めっちゃトレーニングして、めっちゃケアして、めっちゃ食っています! (増量で)運動量はそこまで落ちたとは思えません。これに慣れていくことで、世界一の3番(右PR)に近づく」

 ここからの話題は、今後展開するタフなロードに関してである。

 8日の第7節が積雪でできなくなった。

 リーグの規定によれば、不可抗力での中止がなされた場合は「延期が可能な場合:再試合とする/延期が不可能な場合:当該試合は開催されたものとみなし、双方のチームに勝ち点2点および得点14点(2トライ・2ゴール)ずつを付与する」とある。開催可否は「代表理事が主管運営代表者との協議に基づき、後日決定する」とのことで、第7節で「主管」の側だったサンゴリアスはゲームをすることを選んだ。

 就任2年目の小野晃征ヘッドコーチは言う。

「選手たちはそういう(決行への)マインドでいたと思います。チーム状態もよくなっていて、自分たちのラグビーを磨いていくところにいます。ポジティブです」

 再試合が組まれたのは3月7日。もともとの休息週が埋まり、第8節から次のバイウィークまで8連戦を強いられる。

 元日本代表SOでもある小野は、現実を踏まえて選手起用に「ローテーション」を用いる。

 22日に東京・秩父宮ラグビー場である第9節では、左PRの小林賢太、FLの下川甲嗣といったジャパン組を登録外とした。2人とも通常のトレーニングに参加できる状態ながら、それぞれに位置に2年目の山本敦輝、ルーキーのパトリック・ヴァカタを配した。

「調子のいいメンバーを出すことを考えています。敦輝もヴァカタも(好調のため)スタートで出したかった。また、2人(小林と下川)はジャパンの頃(昨秋のキャンペーン)からずっと出続けていたので、このタイミングで…と。8連戦は、全スコッドのメンバーを使っていかないと」

 この文脈を、通称「TK」も理解する。険しい道を堂々と走り、クラブにとって旧トップリーグ時代の’17年度以来となる日本一に喜びたい。

「チーム力を見せるチャンス。個々の力で勝つには限界がある。全員が同じ方向を見られているか、真価が問われる連戦です。それぞれ役割を理解するのが大事です。他のチームとは疲労感が変わってくると思いますが、そのなかでも一喜一憂せず、チームで動き続け、自分の役割を遂行することが求められます」

 かくも述べる。

「日の丸をつけることは特別で、嬉しいことです。ただ、チームを優勝させることが課題で、それをクリアした先に日本代表があります」

 話をしたのは20日。都内の拠点で日々の鍛錬について話していると、視線の先に5学年下で新人HOの平生翔大を見つけた。昨秋の代表キャンペーンで切磋琢磨した間柄でもある後輩に「な、翔大。オフの時も、やってるよな?」と声をかけ、こう返事をもらった。

「一緒にやらせてもらっています。朝から」

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