埼玉パナソニックワイルドナイツのリアム・ミッチェルは、旅するラグビーマンだ。
20歳過ぎからスペインきっての名門サンボイアナでプレーしたのをきっかけに、母国ニュージーランドのプロ選手となる道を作った。’19年から3シーズンはスーパーラグビーのハリケーンズに在籍し、’21年には再び海を渡った。
「スペインのチームは、もともと(自国で出た試合の)対戦相手でした。もともと住んでいるところを飛び出してラグビーをするのはよいことだと感じました」
自国での契約がまとまらなかった流れで、イタリアのゼブレに活躍の場を求めた。
「イタリアは家族に双子が生まれた場所です。その意味では、私と妻にとって特別な場所になったと言えます」
まもなくワイルドナイツにスカウトされた。当時の所感は…。
「与えられたオプションで最適な道を選びました。夕食前にダイニングテーブルにつく子どものように」
自身の妻は、かつてこのクラブにいたジョージ・ホワイトロックのパートナーと姉妹だった。かねて縁のある日本のクラブに’22年に加わって以来、ミッチェルは充実した日々を送る。
特に今季は好調だ。開幕5連勝中のチームで「練習を含めうまくいっています。ただ、80分間を通してよかった試合は開幕節を最後になくなっている。一貫性をつけたい」と課題感を口にしながら、自身のパフォーマンスには好感触を得る。
1月10日の静岡ブルーレヴズ戦では途中出場するや、ビッグゲインとキックチャージからのトライで白星を手繰り寄せた(埼玉・熊谷ラグビー場/〇37-22)。17日の横浜キヤノンイーグルス戦では先発し、高低のタックルを重ねて快勝した(神奈川・ニッパツ三ツ沢球技場/〇50-21)。
身長197センチ、体重117キロの30歳でポジションはLO。クラブの看板たる防御で存在感を示す。
「キャリアを通して課題としているのが防御。ここがよくなれば、試合をうまく運べる」
旧トップリーグ時代から5度の日本一を経験する名門で、移籍後初の優勝を成し遂げたい。
