今年2月に33歳となる。同年代のチームメイトが引退を決めるなか、松島幸太朗が言葉を選ぶ。
「いよいよ気持ちが固まった、ということ。最後、彼らがハッピーで終われるような形にしたいです」
1月5日、同じ東京サントリーサンゴリアスに所属する中村亮土、流大が今季限りでスパイクを脱ぐと発表した。2013年に一度目の入部をした松島は、それぞれ‛14、‛15年に加わった2人と同世代。流とは同級生である。3人揃って日本代表として‛19、‛23年のワールドカップに出た思い出もある。
今回のリタイアについて込み入った相談はなかったというが、意向を聞いた時には「まだ、いけるっしょ、という感じ」で返答したとのこと。もちろん、決意を覆そうとは思わなかった。それぞれにそれぞれの人生があるのを知る。
「(年齢的に)考える時期にきています。タイミングは人それぞれ。寂しさもありますけど、みんな十分にやってきていますし、引退をするということは、もう悔いがないんじゃないかなと」
気になるのは、2人のラストスパートに並走するチームの状況だ。昨年12月27日には、現在進行中のリーグワン1部・第3節で大敗。東京・秩父宮ラグビー場で、全勝同士だったクボタスピアーズ船橋・東京ベイに接点で圧倒された。20-79で屈した。
「不甲斐ないと言いますか、サントリーの看板を背負って出ているので、ノンメンバーに対して申し訳ない気持ちもあって…」
新年のセッションでは「ブレイクダウンとフィジカルの修正を。おもに、そこがやられていたので」。10日に東京・味の素スタジアムでコベルコ神戸スティーラーズを迎えるにあたり、決意を新たにする。
「(後に)『いま、ああいう(スピアーズ戦のような)試合をしておいてよかったね』と言えるように、自分たちが変われたことを示していきたい」
国際化の進むリーグワンにおいて、「簡単な試合はない。(自軍が)チャレンジャーだとわかったうえで、一戦、一戦、臨む」。プレー後の起き上がりの速さ、味方走者が向こうの大型選手に捕まらないためのサポートの鋭さといった、5度の優勝を成し遂げた旧トップリーグ時代から大事にしてきた要素を重んじたい。
流、中村とともにこのクラブを成功させた松島は言う。
「昔からいる選手たちが、自分たちのスピリッツ、自分たちがどういうチームなのかを、新しく入ってきた選手たちに伝えないといけない。それをいま、根付かせている最中です」
伝統的な勝ち筋を見つめ直す。
