ラグビーリパブリック

【全国大学選手権】早稲田が天理との死闘制す。準決勝で帝京大と対戦へ。

2025.12.20

早大HO清水健伸(撮影:平本芳臣)

■第62回全国大学選手権 準々決勝
12月20日@ヤンマースタジアム長居(大阪)
【早稲田大 26-21 天理大】

 さながら決勝戦のような引き締まった準々決勝だった。

 12月20日、ヤンマースタジアム長居での第2戦。関西リーグ王者の天理大と前週に関東学大を破った早大が対戦。最後まで勝敗の分からない好勝負を制したのは早大だった。

 拮抗した展開も、先制トライは早かった。
 キックオフからいきなり天理大FL川越功喜が突き刺さる。ターンオーバーを起こして10フェーズを重ね、最後はFLアリスター・サウララが仕上げた。

 しかし、直後に早大もやり返す。
 WTB池本晴人のタックルで相手をタッチラインの外に出して攻撃権を獲得。SO服部亮太のキックパスを受けたWTB田中健想が右コーナーに入った。

 その後は攻め込まれながらも天理大をタッチラインに追い込んで失点を防ぐと、19分にはSO服部の50:22キックを起点にLO栗田文介がトライ。12-5と逆転した。

 24分にはハイパントを起点としたアタックでトライを許すも(12-14)、31分には大田尾竜彦監督が「キーポイントの一つだった」と語るシーンを迎える。
 日本代表FB矢崎由高が自陣からラインブレイクに成功、サポートしたSH糸瀬真周がトライゾーンに入った。

 19-14で迎えた後半は、さらに互いの堅い守りが際立った。
 相手のスコアチャンスで早大FL田中勇成がスティールを決めれば、天理大LO大西一平がタックルで落球を誘う。

 再びFB矢崎にロングゲインを許した20分頃にも、LO藤岡洸雅が粘りのタックルでSO上ノ坊駿介のスティールに繋げた。

 しかし、均衡を破ったのは早大だ。
 17フェーズ、7フェーズに及ぶアタックを凌いだ26分。相手の簡単な反則で敵陣深くに入り、SO服部が突破、最後はFB矢崎が悠々とトライラインを越えた。

 26-14。ロースコアの試合あっては決勝点かと思われたが、天理大がすぐさま反撃に出た。

 キックオフでFLサウララが競り合いを制してマイボールにすると、13フェーズを重ね、最後はサウララのオフロードパスに反応したSO上ノ坊がポスト下へ。5点差と詰めてからも敵陣でアタックを展開した。

 試合を決めたのは早大NO8粟飯原謙のタックルだ。
 この日は後半16分から松沼寛治に代わって登場。「2人はどちらが上か甲乙つけがたいが、松沼のリーダーシップを先に、粟飯原の爆発力を後半に持っていきたかった」(大多尾監督)という起用法に見事に応えた。

 粟飯原の突き刺さるタックルを起点にペナルティを誘い、ピンチを凌ぐ。
 最後はSO服部が蹴り出して歓喜の時を迎えた。

 2年連続の準々決勝敗退に終わった天理大の小松節夫監督は「残念な結果でしたが最後まで諦めずによくやってくれました」と選手たちを労い、「対抗戦の1位から4位まで優勝する力がある中で関西の優勝チームとしてどこまでできるのかのチャレンジだったが、結果は少し足りませんでしたが少なくとも同じレベルで試合はできたと思います」と語った。

 早大の大田尾監督は「早明戦を終えた時にここが一番の山場になると思って臨んだ。準備が上手くいったおかげでチーム全員が同じ方向を向けた」とコメントを残した。

 準決勝では昨季の決勝カードが実現する。早大は1月2日、国立競技場で5連覇を目指す帝京大と対戦。なお、対抗戦では帝京大が25-20で制している。

Exit mobile version